杭州市の図書館が「読書療法」サービス
ペースが速い生活やストレスの大きい仕事などが原因で、上調子になったりイライラしたり、悲観的になる人が増加している。そんな中、浙江省杭州市の図書館は現在、うつ病などの治療にも用いられる「読書療法(ビブリオセラピー)」のサービスを提供している。利用者は心理カウンセラーのアドバイスを受けつつ、読書を通じてストレスを和らげることができる。新華網が報じた。
同図書館は、静かに本を読むことと心理カウンセラーのアドバイスを組合せ、レッテルを貼ったり、病気等の診断を下すといった治療法から脱却し、利用者が自分のことをよく知り、自分の長所を見つめることで、心のバランスを取れるようサポートする。
中国共産主義青年団が設置する若者向けの相談窓口サービス「12355青少年サービスカウンター」の責任者で、心理学専門家の宋健男氏は、「先延ばし癖がある人は、意志の力に関する本を読むと良い。また職場でうまくいっていない人には、女性の昇進を描く小説『杜拉拉昇職記(ドゥララの昇進物語)』を勧めたい。『読書療法』は効果的な読書や触れ合いを通じ、何かあるとすぐに不満をこぼし、今ある物が見えなくなり、受身の状態に陥ってしまうのではなく、読者がさまざまな視野を持ち、メリットを見つけ出せるようサポートする」と説明する。
宋氏はまた、「『癒し』というのは抽象的な言葉で、実際には読書のほかに、楽器を弾いたり、ゲームをしたり、絵を描いたりすることでも消極的な考えを改善することができる。『心療内科』に行くよりも、『読書』のほうが多くの人にとって受け入れやすい。この療法は、国外では普及がすすんでいるが、中国ではまだそれほど知られてない」と指摘する。
「読書療法」サービスは同図書館が12355青少年サービスカウンターや杭州市健康管理専門委員会などと共同で実施するもので、完全無料となっている。利用者は前もって予約しておけば、心理カウンセラーのアドバイスを受けることができるほか、図書館でおススメの図書を借りることもできる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年8月16日