ユネスコが韓国政府に警告「キムチは世界遺産の登録対象ではない」
韓国政府は今年3月、「キムチとキムジャン文化」のユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産への登録申請を行い、結果は今年12月に発表される予定だった。しかし、発表に先んじて、韓国メディアはこのほど、「キムチがユネスコ無形文化遺産に登録された」と報道した。ユネスコはこの報道を否定し、「誤った報道が商業的に利用される恐れがある」と警告を発した。日本のニュースサイト「ロケットニュース24」の10日付報道を引用して環球網が伝えた。
よく知られる通り、キムチは、唐辛子やニンニクなど様々な香辛料で野菜を漬けた漬物のことで、特に白菜のキムチは大変有名だ。一方、キムジャン文化とは、キムチを漬けこむ行事を指す。韓国では、本格的な冬が来る前に、庶民が集まって一斉にキムチを漬けこむ風習があり、韓国の冬の風物詩となっている。
韓国メディアは、ユネスコが審査結果を発表する前に、「キムチがユネスコ無形文化遺産に登録された」とフライング報道を行った。ユネスコはこの報道は正しくないとした上で、以下の通り説明した。
無形文化遺産とは、口承伝統、伝統芸術行事、民族活動、儀式・祝祭行事など、無形で、庶民の生活と密接な関連があり、子子孫孫に受け継がれる各種伝統文化の表現形式のことを言う。一方、キムチは具体的な食べ物であり、今までに、具体的な食べ物が無形文化遺産に登録された例はない。
また、ユネスコは、「キムチが無形文化遺産に登録されたというのは正しくない。仮に、キムチが登録された場合、商業的に利用される可能性が高い」と韓国メディアの報道内容を否定した。さらに、「今後も、『キムチが無形文化遺産に登録されることは確実』といった内容の報道が続いた場合、キムジャン文化の世界遺産登録はいっそう厳しくなるだろう」と韓国政府に警告を発した。
韓国文化財庁はこれについて、「キムチは、キムジャン文化に欠かすことのできないものだ」と説明。同庁公式サイトのトップページでは、すでに「キムジャン文化の世界遺産申請が確定」という記述が、「キムジャン文化が世界遺産登録候補に」との記述に変更された。韓国キムジャン文化の無形文化遺産登録が承認されるか否かは、今年12月にアゼルバイジャンで開かれる「第8回無形文化遺産委員会」で決定される。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月12日