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和食やキムチが「無形文化遺産」の登録を目指せる理由

 韓国文化体育観光部は最近、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関から「キムチ」を無形文化遺産に登録するよう勧告されたと発表した。日本の和食や中国の珠算(ソロバン)も登録候補リストに入っており、12月にアゼルバイジャンで開かれる「無形文化遺産委員会」で登録の可否が決まる。人民日報が報じた。

 このニュースに中国では、「1800年の歴史を誇るソロバンは世界で最も古い演算のツール。無形文化遺産の名に決して恥じない。しかし、キムチや和食は単なる食べ物で、どうして世界遺産になるのか?それなら、中華八大料理(山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理)もリストに入れるべきではないのか」という声が上がっている。

 豊富な食材や味、卓越した技術という点で、中華料理の右に出るものはないだろう。ただ、無形文化遺産というのは料理大会ではなく、料理の背後にある「文化」こそがその核心だ。韓国では、代々伝わるキムジャンは、隣近所同士で「分け合う」という精神を反映し、人同士のつながりや帰属感を強めていると考えられている。日本でも、「和食」は一種の自然への敬意で、食事を通して家族やグループとのつながりを強める社会的習慣であると考えられている。つまり、「食べる」、「飲む」というのは物質的なものである一方、「飲食」には文化的背景があるのだ。

 各国は「食」を無形文化遺産に登録するため、文化的ラベルをそこに貼っている。例えば、フランスは「フランス料理」を無形文化遺産に登録するために、ホテル・ル・ムーリスの三ツ星シェフであるヤニック・ アレノ氏や国会議員、大学教授からなる委員会を立ち上げ、さらに宣伝するために人気俳優・ジェラール・ドパルデュー氏を起用した。また、日本はノーベル賞受賞者を多数輩出している京都大学に「日本料理学科」を創設することを検討している。京都料理芽生会の村田吉弘会長は、「日本料理は健康的な食習慣を身につけるよう人を促す」と自信を持って述べている。フランスの著名な社会人類学者クロード・レヴィ=ストロース氏が、「飲食は最も鋭敏なシンボルマークで、文化の内在的要因の構造を反映している」と説いたのもうなずける。

 経済面のグローバル化が進む今日、地域の文化的特長を色濃く反映する「飲食」が、ソフトパワーの重要な要素となっている。そのため、発展途上国は国際的な主流文明に溶け込み発展を遂げると同時に、その強力な文明を前に、自国の文化を守り、継承しなければならないというのが課題になっている。その重要性について、ドイツのある学者は、「新興経済体は汽車のようで、経済が先頭車両となってそれを引っ張ると、いつの日か崖の下に落ちてしまうだろう。一方、自国の秀でた文化が先頭となって引っ張るなら、進む方向を永遠にコントロールできる」と指摘している。

 ユネスコのイリナ・ボコヴァ事務局長は最近中国を訪問し、中華料理を味わった後、「おいしさや加工方法を単に考えるのではなく、文化という観点から料理を考えるように」とアドバイスした。全国人民代表大会の代表で、湖南料理の料理人で知られる許菊雲氏も、「飲食文化は1つの民族の文化的特長の本質を反映しており、1つの民族の歴史的文化や心理的特長を考察するための『化石』」と表現している。この観点からすると、中国は、孔子が「論語」の中で、食事の礼節について「料理の法にかなったものでなければならない」ないと説いたことや、福建料理の伝統的な高級スープ・佛跳牆は、「あまりの美味しそうな香りに修行僧ですらお寺の塀を飛び越えて来る」という詞を名前の由来とすることなどを世界に知ってもらうことが必要だ。

 味は違っても、文明には共通の魅力があるものだ。最近、世界最大の書籍の見本市・フランクフルト・ブックフェアで最も売れた中国語の書籍は食をテーマとしたドキュメンタリー番組「舌尖上的中国」で紹介された料理をまとめたレシピ本で、海外では高額で販売されている。また、米国で中華料理店の数は、マクドナルドとケンタッキーの和よりも多い。中華八大料理の文化は奥深すぎると懸念する必要はない。韓国は現在、中国では一般に「韓国泡菜」とされているキムチの表記を、「辛奇」に統一し、中国や日本のキムチと区別することを検討している。ある外国メディアは以前、中華料理の「変」を特集し、その1つに「魚香茄子(日本では麻婆茄子として知られる)」にはなぜ魚を使っていないのかを挙げた。もしかすると、このような疑問こそが、中華料理の文化的魅力なのかもしれない。結婚式などで出される「四喜丸子(肉団子とキャベツの煮込み)」には、「福」、「禄」、「寿」、「喜」を願う気持ちが込められていることを外国人が知るようになる時、それは中国の文化が世界に十分に発信されたことを意味する。(編集KN)

 「人民網日本語版」2013年11月11日

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