中国の鉄道ダイヤ、年末に改正 一部新路線も開通
年末、中国全国の鉄道ダイヤが改正される。新ダイヤでは、上海-深セン、上海‐哈爾濱(ハルビン)間の所要時間が大幅に短縮される。鉄道部門は、「厦深(アモイ‐深セン)高速鉄道、津秦(天津-秦皇島)旅客輸送専用線(高速鉄道)、渝利鉄道(重慶-湖北省利川市)が年内に開業する。開業後は、上海からハルビンまでの高速鉄道が実現し、上海から深センにも乗り換えなしで行くことができ、所要時間が大幅に短縮される」と明らかにした。新聞晨報が伝えた。
中国鉄道総公司はすでに、「2013年末列車ダイヤ変更に関する通知」を発表した。いくつかの高速鉄道線や一般軌道線が新たに敷設され、新高速鉄道列車や快速列車が運行をスタートすると同時に、一部の低速列車は運行を停止する。今回のダイヤ改正は、上海、広州、ハルビンなど多くの鉄道局やグループ会社に関連するもので、京滬(北京-上海)線、京広(北京-広州)線、京哈(北京-ハルビン)線、隴海線などの幹線鉄道でダイヤ改正が行われる。また、増便される列車の本数は、運行が停止される列車を上回る見込み。
鉄道関係者は27日、「改正ダイヤの最終版はまだ公表されていない。新ダイヤは、春運(旧正月前後の帰省・Uターンラッシュ)の混雑を緩和し、鉄道移動の際の効率性を高めることを目指して編さんされた」とコメントした。
現行ダイヤでは、上海‐ハルビン間には、K56列車が一日1本あるのみで、所要時間も31時間を上回る。毎年、春運期間の切符は、「1枚たりとも入手困難」な状況だ。だが、今年末には上海と東北三省が高速鉄道で結ばれ、上海からわずか10時間でハルビンに到着できるようになる。新ダイヤによると、ハルビン・長春・瀋陽・大連の各都市と上海が、高速鉄道で結ばれる。
厦深(アモイ‐深セン)高速鉄道が来月開通すれば、滬杭(上海-杭州)高速鉄道、杭甬(杭州-寧波)高速鉄道、甬台温(寧波-台州-温州)高速鉄道、福厦(福州-アモイ)高速鉄道で構成される中国沿海(南部エリア)高速鉄道線が深センまで達することになり、開通後、上海虹橋駅‐深セン北駅間では、頭文字Dの高速列車4組が、全行程の所要時間約10時間で運行する。鉄道部門関係者は、「現行ダイヤでは、上海南駅と深セン駅の間を、T211列車とT101列車が18時間をかけて運行している。厦深高速鉄道が開通すれば、もはや長沙や広州を経由する必要はなくなり、ビジネス客にとっての利便性が大いに高まるだろう。また、今のところ、華東各地から深セン・香港・広州に向かう列車の本数は少なく、かなりの時間がかかっている。上海と香港の間を行き来する人々は増える一方であることから、上海と深センが直行列車で結ばれると、深センを経由して香港に入る上海市民にとって、多くの便宜が図られる」と述べた。
上海と深セン・東北三省をつなぐ高速鉄道の開通は、多くの航空会社にとって、大きな脅威となっている。高速鉄道対抗策として、各社はすでに、割安の航空チケットを販売している。オンライン旅行会社の国内大手・携程旅行網では、12月から来年1月上旬出発の上海-ハルビン線航空券が、ほぼ連日、定価から3割引の530元(約8900円)を下回る割引価格で売り出されている。このような状況は、上海-合肥、南京-武漢、武漢-広州を結ぶ高速鉄道線が開通した時に、航空業と鉄道業の間で繰り広げられた旅客争奪戦の様子と良く似ている。専門家は、「上海からハルビンまで、飛行機を利用すればわずか3時間で行ける。航空券の価格がかなり低く抑えられれば、多くの人が、上海から東北へ行くのに飛行機を選ぶだろう。上海‐ハルビンの3割引航空券に税金を加えると約700元(1万2千円)、コストパフォーマンスが高速鉄道より低いということは考えられない」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月28日