中国人の米国留学、毎年5万ドル超の支出は損か得か? (2)
SATは香港にも試験会場を設けており、1年間に6回の試験を実施している。つまり中国の高校生は1年間で最多で6回受験することが可能であり、少なくとも2回は受験しなければならない。これに各種費用を加味すると、1回の試験で一般的に2万元(約32万円)が費やされる。
またSATで2200点(米国名門校を受験するための基本的なライン)以上の成績を取ろうとする場合、「マンツーマン」の教育費は6万元(約96万円)以上に達する。割安な少人数制の講座を受けるとしても、約2万元(約32万円)が必要だ。
それから、斡旋手数料とサービス費用だ。一般的に留学の斡旋手数料は3万5000元(約56万円)以上で、受験申請費用は申請先とその数により別途で請求される。申請から合格までの全サービスを選択した場合、出国後の出迎えやホテルの手配といった追加料金が発生する。
すべてが順調に行ったとしても、学生は出国前に約20万元(約320万円)の費用が必要だ。米国の1年間の学費と生活費は約30万元(約480万円)ほどで、4年間で120万元(約1920万円)に達する。一世帯あたり100万元(約1600万円)以上の「特別資金」を準備しなければ、思い切って米国留学を選択することができない。
◆名門校入学は非常に困難
小切手、斡旋業者がオーダーメイドした完璧な計画、それから外国語の優れた成績があれば、名門校に順調に入学できるのだろうか。その答えは、「非常に困難」だ。
米国の某大学に通う2年生のSimonさん(仮名)は、米国での大学入学に関する深い印象について語った。彼は当時、中国での大学受験を選択せず、一般的な大学の外国語コースとコミュニティ・カレッジからのオファーを受け、米国を訪れた。「米国に来て初めて分かったが、いわゆるコミュニティ・カレッジは中国の専門学校と同じようなもので、気の毒になるほど小規模だった。理論上は、学生はコミュニティ・カレッジに2年間通い、AAクラスの成績を取れば一般の大学に入学できるが、名門校の申請は難しい。またコミュニティ・カレッジは一般的な大学の学歴と比べ、就活の際に競争力を持たない。斡旋業者の言ういわゆる妥協案は、理論上は実行可能に見えるが、実際には非常に困難だ。しかしすでに多くの資金を投入しているため、多くの学生はコミュニティ・カレッジで学習し続けることを選択している」
米国のコミュニティ・カレッジは1200校以上に達し、1000万人以上の学生が在学中だ。米国のコミュニティ・カレッジに留学した経験のある中国のネットユーザーは、「学習適齢期の学生の他に、仕事をしながら学習する学生も多かった。60歳以上の大学生もよく見かけることができる」と説明した。