上半期の中国経済を読み解く:成長鈍化は想定内 (2)
未来に目を向けると、年間成長率が7%以上を維持できれば、2020年のGDP総額を2010年比で倍増させる目標を実現できる。
▽困難を克服:構造調整は着実に進展
上半期、経済の構造調整は着実に進展し、質も向上した。盛報道官は「上半期、中国の農業の基礎的地位はさらに固められ、現代サービス業と戦略性新興産業は良好な発展を見せた。企業の製品構造調整にも新たな進展があり、地域経済のバランスのとれた発展もより強化された」と指摘した。
盛報道官によると、上半期、最終消費のGDPへの寄与度は45.2%に達し、GDPを3.4ポイント押し上げた。総資本形成額のGDPへの寄与度は53.9%で、GDPを4.1ポイント押し上げた。貨物・サービスの純輸出の寄与度は0.9%で、GDPを0.1ポイント押し上げた。これらのデータから見ると、上半期の中国経済成長は依然として内需のけん引によるものだったと言える。
趙副院長は「下半期は、GDPの構造変化が基調となるだろう。国務院がこのほど発表した『金融による経済構造調整とモデルチェンジ・アップグレード支援に関する指導意見(金融十条)』のうち、8条は構造調整、モデルチェンジに関するものだった。下半期の中国マクロ経済は『有保有圧(奨励策と抑制策を使い分ける)』となるだろう」とする。
実際のところ、様々な現象が証明しているように、今日の中国経済はモデルチェンジを加速している。しかし一方で、モデルチェンジの途中で直面する痛みや摩擦は、これまでのどの時期よりも突出しているように見える。
専門家は、「近頃見られている銀行間の流動性逼迫、過剰生産能力、地方政府の債務問題、不動産バブルといった『痛み』は全て、経済構造のアンバランスが表面化したもの」と指摘する。
中国社会科学院世界経済政治研究所の張斌研究員は「問題の根源は、我々のこれまでの成長モデルが投資と輸出に過度に依存していたことにある。経済の内在的な原動力不足が露呈したのだ」と語る。