進展を探る中日韓FTA交渉 東京で第3回交渉 (2)
今回の交渉で得られるとみられる成果について、業界関係者は悲観的な見方をする。商務部(商務省)国際貿易経済合作研究院総合戦略研究部の張莉研究員は、「米国と欧州の協力が進展するのに伴い、アジア諸国間の協力が大きな流れであることには疑問の余地がない。経済という視点で考えると、中日韓は積極的に交渉プロセスを推進する必要がある。なんといっても自由貿易圏の建設はどのメンバーの経済発展にとっても、有力な促進作用となるからだ。だが政治的要因や米国という要因の潜在的な影響が短期間で消えることはないとみられ、このたびの交渉が満足のいく結果に終わることは難しいだろう」と話す。
そうはいっても、張研究員も3カ国のFTA交渉展開に重要な意義があることは認めており、「話し合いが進むにつれて、世界の経済局面における3カ国の地位はさらに上昇していく」という。また交流を進めることは3カ国間の理解を深めることにつながり、「3カ国の政治・経済の理念や法律制度の分岐点および融合点がますます明確になる」という。
2015年の交渉妥結という目標について、張研究員は、「今カギとなる問題は、3カ国間の相互信頼のレベルがまだ十分でないことで、最大の障害はやはり日本の中国に対する押さえ込みと韓国に対する警戒だ。このため、今の最も重要な目標は信頼と理解を深めることであり、すべてのプロセスが一気に進展するのを求めることではない」と話す。
▽難題と進展
中日韓FTA交渉では農業がずっと厄介な問題となっている。