また同一商品の価格が国内外で異なるのは、中国ブランドの安全性の低さ等と関連している。つまり中国の同業者が市場に供給している商品が、海外ブランドにとって代わることができないということだ。その典型的な例は粉ミルクだ。国内の著名ブランドの食品安全リスクが暴露されると、国内の消費者は安全リスクを避けるため、価格に対して鈍感になっている。その結果、高価格で海外ブランドの商品を購入するか、香港等の本土以外の市場で商品を購入している。
同問題について、消費者を騙していると決めつけるべきではない。市場の価格差は、同一商品の同一市場における季節による価格差、もしくは地域による価格差と同じようなものであり、正常なことだ。いかなる市場の商品の定価も、一種の特定市場の需給状況による主観的な価格設定の結果である。市場で競合が展開されている場合、客観的な価格設定の基準が見出し難い。例を挙げると、スターバックスが中国市場で1杯のコーヒーを21元(約263円)で販売していることが、価格の差別であり消費者を騙しているとするならば、米国における12元(約150円)という定価は、米国によるダンピング認定を受けそうだ。
関連商品の国内外の価格差を効果的に縮小するためには、ただ単に証明しがたい評価基準に照らし合わせるのではなく、国内市場の取引コストを出来る限り削減し、国内外の価格差による利ざやの空間を適度に狭めるべきだ。
法律・秩序が順守されている場合、商品をその価格で販売できるということは、需給の互恵関係による結果である。一方がもう一方から提供された商品が高額で、その価値に見合わないと感じた場合、取引が成立することはないからだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年11月12日
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