中国式留学 車や家を売り費用を捻出
「知り合いは子供を外国に送り出した、私も負けてはいられない」、「子供の将来のために、数年間無理をしよう」、「海外の卒業証書は国内大学の卒業証書よりも評価が高い」-----。子供を留学させるためには身代を潰すことも惜しまないという家庭は多い。留学機関が発表したデータによると、重慶市の海外留学者数は年間平均20%以上のペースで増加している。子供の留学を控えている、もしくは子供を留学に送り出す予定の家庭のうち、年収30万元(約390万円)以下の家庭が52.28%を占めた。華龍網が伝えた。
なぜ留学を選択する人が増えているのだろうか。留学は家庭に何をもたらすのだろうか。留学により予定していた目標を達成できるのだろうか。記者はこのほど、これらの問題を巡り調査を行った。
◆留学に向け家や車を売却
張洪国さん夫妻はここ数日、さんざんな目にあっている。米国で留学中の息子に、生活費を送金しなければならないからだ。
張夫妻は共働きだが、息子を留学させるために貯蓄をほぼ使い果たした。息子は現在生活費を必要としているが、送金するお金がない。
張さんは、「うちは一人っ子で、息子のためにどんな苦労も厭わない」と語った。張さんと妻の月収は、合計で1万元(約13万円)ほどだ。張夫妻は3年前、多くの友人の子供が留学するのを見て、焦りを感じた。
海外留学には一定の預金があることを証明する必要がある。そのためには、家を売るしかなかった。
張さんは次のような計算をした。息子が米国で留学する場合、学費に生活費を加えれば毎年少なくとも20万元(約260万円)が必要だ。夫婦は食費を除いても、年間13万元(約169万円)ほどしか拠出できない。支出を削減するため、夫婦は車も売却してしまった。彼らは現在、出費を抑えるためあの手この手を尽くしている。