営業税から増値税への変更は重要経済改革を推進
現在、全国規模で進められ、徐々に実施範囲を拡大している営業税から増値税(付加価値税)への徴収変更改革は、実際のところ1994年に行われた分税制度への改革という重要な税制改革にも劣らないチャンスへの導火線で、経済社会全体に重要な変革をもたらすものといえる。「人民日報」が伝えた。
第一に、地方政府の税収状況の変化から考えて、現在推し進められている営業税から増値税への変更の範囲拡大には2つの流れがあり、一つは地域での範囲拡大、もう一つは産業での範囲拡大だ。上海などの省・自治区・直轄市で進められている変更の対象範囲は「1+6」で、交通輸送産業と6つの現代型サービス産業がこれにあたる。改革は地方政府の税収に影響し、経済構造の状況により20%から30%の間で影響があるとみられる。
現在、営業税は地方政府のほぼ唯一の主体的な税収で、税収全体の50%かそれ以上を占める。第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)の終わり頃に変更が全国に行き渡れば、営業税は存在しなくなり、地方政府の唯一の主体的な税収がなくなる。このため不動産税の徴収が加速する可能性があり、営業税の徴収管理に携わってきた人々の処遇が大きな問題になる。
次にいえることは、全国の税収をみると、現在は増値税が税収全体に占める割合は41%に達し、営業税は16%だ。この2つの税種が合体すると同時に別の措置を打ち出さなければ、増値税の占める割合が一気に57%に増えることになる。1種類の税金だけがあまりに多くなるのは、中国の財政収入システムの安全性によって大きな脅威となる。またこうした過程の中で、増値税そのものを新たに改革することが必要になる。すなわち増値税の基準税率を引き下げることだ。増値税の基準税率を1ポイント引き下げると、税収に2千億元を超える影響が出る見込みだ。
周知の通り、財政には支出を減らし続けることはできないというルールがある。減らしてよいのは増加幅だけだ。増値税の収入が大幅に減少し、政府の支出をこれ以上減らせなくなった時に生じる損失は、新たな税種で埋めなければならない。その税種とは直接税にほかならない。不動産税、個人所得税を含む総合的な調整を行えば、ペースも速くなる。