海外粉ミルク事件 中国企業はぬか喜びするな
粉ミルクの品質が中国人消費者にとって気がかりな問題になっている。世界最大の乳製品輸出国であるニュージーランドの乳製品から、このほどジシアンジアミドが検出され、これまで海外の粉ミルクに夢中になっていた中国人を大いに驚かせた。「ニュージーランドの高品質の原料乳」ですら信じられないとすれば、自分で牛を飼って自給自足するしか道はなくなる。「人民日報」が伝えた。
海外産粉ミルクは祭り上げられていた祭壇から降りつつあるようだ。こんな時、中国の乳製品メーカーは他人の不幸を喜んではならない。なんといってもメラミン事件という消えない「前科」があるからだ。海外産粉ミルクの評判が低下したからといって、国産ミルクの評判が自動的に上がるわけではない。自動的にシェアを奪い返して、市場で高笑いできるようになるわけではない。最近の市場の動きをみてもわかることだ。国内の粉ミルク企業が考えなければならないのは、国産粉ミルクに対する中国人の信頼をどのように回復するか、さらに進んで「失地を回復する」にはどうしたらよいかということだ。
紛れもないことに、ここ数年は海外産粉ミルクが破竹の勢いで広大な中国市場を占拠し、消費者に崇拝されるようにすらなっていた。さきにはオランダで中国人が粉ミルクを買い占めるので、現地の乳幼児の分がなくなり、多くのスーパーマーケットで購入制限措置が執られるということもあった。中国人の買い占めの動きはドイツ、デンマーク、オーストラリアなどにも広がり、聞く人を暗澹とした気持ちにしてきた。
中国ではなぜ高品質で消費者のニーズに応える粉ミルクが作れないのだろうか。国産粉ミルクが中国人消費者に信頼されないのはなぜだろうか。あるネットユーザーは、食品の安全問題を解決するのは空に上るよりも難しいと冗談交じりにいう。これは半分冗談だが、なかなか見過ごせないものを含んでいる。