中国のおばさんが金を買い占め 安心感の欠如が原動力に
金相場が暴落した今年4月、「中国のおばさん」が金の買い占めで注目を集め、「資本家と対決」などとメディアに書き立てられた。ウォール・ストリート・ジャーナル誌は、中国のおばさんを意味する「dama(中国語のおばさん「大媽」の音訳)」という英単語まで作り出したほどだ。あるネットユーザーは微博(ウェイボー、中国版ツイッター)で、「中国のdamaが、ついに世界に進出した」と驚きの声をあげている。北京晨報が伝えた。
damaによる金の買い占めは、どれほど凄まじいものであったのだろうか。これは次のデータによって説明することが可能だ。世界黄金協会(World Gold Council)がこのほど発表した最新の報告によると、中国・インド市場の力強いけん引を受け、今年第2四半期の世界の金の消費需要が53%と急増し、金の消費需要が5年ぶりの高い水準を記録した。そのうち中国市場の金塊・金貨の需要量は、前年同期比で157%と激増した。
金の販売者にとって、damaは神様とも呼べる顧客だ。北京太陽金店の焦光義副総経理は、「中国のおばさんは、金の買い占めブームにおける主役だ。彼女たちにとって、金価格がこれほど低下したのは初めてであり、非常に魅力的だ。金相場が暴落した4月、中年女性の消費者が消費をけん引し、当店の売上高が通常の月の倍以上になった」と語った。質屋業を手がける宝瑞通典当行の関係者は、「このほど金価格を引き下げてから、店内の顧客数が通常の3−4倍になった。購入の主力は、依然として中年の女性消費者だ。彼女たちは一人で、もしくは娘を連れて購入に訪れている」と述べた。