低迷叫ぶ声とホットマネーが中国で「競演」
--低迷は煙幕 真の目的は底値買い 世界では中国の低迷を叫ぶ声が絶えることなく耳に入ってくる。これと同時に、利益を出そうとするホットマネーの中国への流入が止まらない。過去4カ月間に比べれば最近のホットマネーの流入には減少傾向がみられるものの、統計データをみると、5月には金融機関の外国為替資金残高が引き続きプラス成長した。
今年上半期はホットマネーの流入が続く、と専門家が指摘する。これまでの経験では、市場の低迷が叫ばれる時にこそホットマネーが最も多く中国に潜伏することになる。同専門家はこうした経験を踏まえ、一方では、低迷を叫ぶ声の背後にある陰謀に警戒が必要であり、監督管理機関が引き続きホットマネーに対する監督管理を強化する必要があると注意を促す。また一方では、現在の動きは世界が中国経済に引き続き期待していることの現れであると話す。「人民日報」海外版が伝えた。
▽ホットマネーが6カ月連続で増加
今年1-4月、国際市場から中国へ大量のホットマネーが流入した。ある統計によると、同期の中国の外国為替資金残高の新規増加額は1兆5千億元に達し、一ヵ月あたり3750億元増加したことになる。
5月に入るとホットマネーの流入は減少し始めた。中国人民銀行(中央銀行)の発表によると、5月に金融機関の外国為替資金残高は668億6千万元分増加したが、増加額は前月に比べて77%と大幅に減少しており、過去数カ月間にわたって毎月約3千億元分を維持したのとは大きな開きがあった。招商証券のマクロエコノミスト謝亜軒氏によると、6月の外国為替資金残高も前月に比べて引き続き減少する見込みという。
ある業界関係者の分析によると、ホットマネーの流出が拡大しており、外部的要因としては、米連邦準備制度理事会(FRB)が現在実施中の緩和政策から撤退する可能性が高いと市場がみていること、資金が新興市場国から引き上げられ米国に回帰し始めたことが考えられる。内部的要因としては、国内経済の成長ペースが鈍化し、人民元の値上がり観測が弱まって、国境を越えた資金の流入を抑制するようになったことが考えられるという。
外部からの資金の流入は減少したが、全体としてみれば上半期にはホットマネーが継続的に流入したといえる。ある統計によれば、中国の外国為替資金残高は6カ月連続で増加した。中国国際経済交流センター情報部の徐洪才部長によると、現在の状況からみて、資金の大規模な流出はなく、ここから海外資本の多くが中国にとどまる道を選択したことがわかる。これらの資本は中国経済に明るい見通しを持っているのだ。