宇宙イチゴ、再来年に市販か
四川省双流県の初の「宇宙イチゴ」が、ハウス内に入った。双流県農村経済発展局が27日に明らかにした情報によると、約半年間の実験室内の栽培により、有人宇宙船「神船10号」に搭載され、宇宙に打ち上げられた四川省双流県産のイチゴの幹細胞が、種苗に成長しハウス内に移された。順調であれば、成都市の市民は再来年に、初めて商品化された「宇宙イチゴ」を味わうことができる。人民日報海外版が伝えた。
宇宙旅行から実際の繁殖に至るまで、「宇宙イチゴ」はどのような過程を経たのだろうか。双流県農村経済発展局の専門家である干大木氏は、「これらのイチゴは宇宙旅行後、中国科学院植物研究所の実験室で数カ月を過ごし、消毒済みの培養器の中で活性化培養、継代培養、芽や根への分化、寒さへの慣れといった丁寧な培養を経た。10月末になり、遺伝子変異の状況が良好だった1万3000の種苗が誕生した」と説明した。
初の「宇宙イチゴ」の移植先には、日照時間が長い四川省凉山イ族自治州西昌市が選ばれた。中国科学院植物研究所と提携している、四川思博瑞生物科技有限公司の敖躍新総経理は、「日照時間が長く、空気が乾燥しており、朝晩の気温差が大きいため、冬のイチゴ栽培に最も適した成長環境だ。これらの種苗は研究所から移されてから、間もなく栽培を開始した」と語った。
同社の張笑琴副総経理は、「最良の効果を得るため、当社は宇宙イチゴのために手間暇をかけている。専門スタッフをつけたほか、水道水を霧吹きで均等に撒くことで、土壌内の菌による影響を防ぐ。普及可能な宇宙イチゴの種苗は、再来年の3月に得られる。その際に数千の種苗を選び成都市双流県に送り、畑での栽培を実施する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月28日