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大手6銀行、黒字確保 9月中間決算 国債人気が追い風

 大手銀行6グループの2012年9月中間決算が14日、出そろった。いずれも黒字を確保し、3グループは純利益を増やした。しかし、秋以降、景気が急に悪くなっている。今後、不良債権が増えて、銀行業績を直撃する心配も強まっている。

     ◇

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGの3メガバンクグループの純利益の合計は8千億円と前年同期を4600億円下回ったが、本業のもうけにあたる業務純益は計1兆5千億円と、約900億円増えた。

 追い風になったのが「国債バブル」だ。金融危機の影響で、海外投資家を中心に、比較的安全とされる日本国債にお金を移す人が増えた。その結果、国債価格は上昇(金利は低下)。国債の売り買いでもうかる状況が続き、3メガで計5600億円を稼いだ。

 アジアなど海外向け融資も伸びた。国内向けが低調だった分、3メガは海外向けの融資残高を計6兆円増やし、過去最高水準になった。一方、株価が下がったため、3メガで計6千億円の株などの評価損が出た。

 通期の業績は、三井住友が純利益の予想を上方修正して5400億円としたほか、三菱UFJは6700億円、みずほは5千億円の純利益をそれぞれ見込んでいる。

 ■融資先悪化の恐れも

 堅調さが目立つ銀行決算だが、今後の不安は高まっている。世界経済が減速するなかで日本の景気も急に悪くなっており、融資先の業績悪化で不良債権がふくらむ心配がある。

 ここ数年は企業倒産も少なく、不良債権の処理費用が想定ほどかからなかったため、大手行の利益が押し上げられてきた。

 だが、今春以降、各行は東京電力やシャープ、ルネサスエレクトロニクスといった業績不振の大企業への巨額の融資を決めた。業績が悪いために社債などで投資家から直接お金を集めるのが難しく、銀行融資に頼る傾向が強まっている。

 銀行側は「日本の根幹産業で支援しないということはない」(永易克典・三菱UFJFG社長)と、今後も支えていく姿勢をみせるが、大口融資は、巨額の不良債権に化けるリスクと裏腹の関係にある。

 メガ3行の中間決算での不良債権処理費用は計34億円にとどまった。だが、通期では計2150億円に増えるとみる。三井住友FGの宮田孝一社長は「ありうるシナリオは全部、織り込んだ」と強調するが、不振企業向け大口融資の焦げ付きまでは想定していない。

 リーマン・ショック直後に発表された08年9月中間決算で、3メガは「通期では計6500億円の利益を確保できる」と予想していた。しかし、実際には不良債権がふくれ上がり、計1兆2千億円の巨額赤字となった。今回もそれが繰り返されることはないのか。業績が悪化した銀行が「貸し渋り」に走り、不況を深める心配もぬぐいきれない。

 asahi.com 2012年11月15日

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