中日本高速道路を捜索 山梨県警 トンネル崩落事故
山梨県の中央自動車道の笹子(ささご)トンネルで天井のコンクリート板が崩落し9人が死亡した事故で、山梨県警は4日、トンネルを管理する中日本高速道路の本社(名古屋市)などを業務上過失致死傷容疑で家宅捜索した。県警は、同社による点検が不十分だったことが事故を招いた可能性もあるとみて、押収した資料を分析するなどして管理の実態を調べる。
捜索対象は八王子支社(東京都)や保守点検を担当する大月保全・サービスセンター(山梨県大月市)など計6カ所。午前9時ごろから捜査員が入った。また、県警は崩落現場で現場検証を始めた。
中日本高速によると、トンネル最上部にボルトで鋼材を固定し、そこからつり金具でコンクリート製の天井板をつり下げる構造だった。最上部に鋼材を取り付けていたボルトが抜け落ちたか折れるかして崩落につながったことが判明している。
同社は点検で、最上部を目視で確認していたが、金づちなどでたたいて音を確認する「打音検査」などはしていなかった。同社は事故後の会見で、検査態勢の不備を認めている。
事故は2日午前8時ごろトンネルの上り線で発生。天井板約330枚(約360トン)が約130メートルにわたって落ちて走行中の車3台が下敷きになり、9人が死亡、2人が負傷した。
asahi.com 2012年12月4日
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