中国のネットで「学校給食」が話題に 「日本を手本に」
「国から補助金として支給された3元(約39.4元)が、子どもたちの手元に届いた時には、牛乳1パックとミニパン1個になっている」-----。中国農村部の小学校で教育支援として教壇に立つボランティア教師がこのほど、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」に「学校給食」の厳しい現状を公開し、大きな議論を呼んでいる。
■農村部の「給食」の現状 補助金の3割以上が販売業者に
湖南省鳳凰市臘璽山鎮にある所徳小学校には約110人の児童が通っている。現地教師はわずか3人で、残り3人はボランティアの教師だ。この小学校でボランティア教師として働く大学生の梁さんは最近、「国から補助金として支給された3元が、子どもたちの手元に届いた時には、1パックの牛乳と1個のミニパンになっている」とミニブログに書き込み、「学校給食」の現状を公開した。
梁さんによると、パンは直径6センチ、厚さ1.5センチ。現地の小売業者によると、牛乳の卸値は1パック1.6元(約21円)、ミニパンは0.3元(約3.9円)。これをもとに試算すると、国が支給している1人当たりの補助金3元のうち、30%以上が販売業者の懐に入っていることになる。
■資金の管理と食の安全確保が課題
現在、農村の義務教育段階にある児童・生徒に支給される給食費補助金には、中央政府の財政から毎年160億元(約2102億円)が充てられている。現段階の計画では、約680県・市の在校児童・生徒計2600万人が対象になる。今回注目を浴びた鳳凰市も第1陣の対象地域。わずか3元だが、子ども1人の1回分の食事を十分にまかなうことができる。
人民日報の報道によると、中央政府は2011年、学食の設置に向けた特別予算を計上した。しかし試行地区が広域の貧困地域にあるため、建設や管理に要する仕事量が依然として膨大で、具体的な給食の形式については、入札から業務研修、日常的な運営、さらには将来的に膨大になると予想される給食調理員の給与など、あらゆる経費をどこからどのように捻出するのかが問題となっている。ある地方官員は「もし地方財政でまかなうのであれば、どのレベルの財政から拠出するのか、より明確なガイドラインが必要」と語る。
県・郷の学校給食を担当している責任者は多くが兼職である中、管理には資金の管理や食の安全といった大きな問題が関わってくる。専門職員の不足は長期的な発展にとって大きな懸念材料となる。これ以外にも、学食の発展、場所選択、安全性などの諸問題がある。これらの問題はすでにお金だけで解決できる問題ではない。現実的な課題が山積する中、学校給食のあり方が問われている。