「ハッカー」、自動車のシステムに侵入可能 トヨタ等が対象に?
ハッカーによるコンピュータネットワークへの攻撃はもはやニュースにもならないほどだが、車を対象とする攻撃は新鮮な出来事だ。ロイター通信の28日の報道によると、ハッカーのチャーリー・ミラー氏とクリス・ヴァラセク氏はこのほど、8月1-4日にかけてラスベガスで開催されるハッカー大会「ブラックハット」において、トヨタのプリウスとフォードのクーガに攻撃を仕掛けるソフトを公表すると発表した。両氏は数カ月に渡る研究結果をまとめた、100ページにも及ぶ白書を発表するという。環球時報が伝えた。
しかしミラー氏とヴァラセク氏の研究は、初めに米国政府の許可を得なければならない。彼らがハッカー技術を研究するのは、違法分子に先駆けてシステムの脆弱性を発見するためだ。このようなハッカーは、ホワイトハッカーと呼ばれる。
ミラー氏はツイッター社のセキュリティエンジニアで、ハッカー技術によるApp Storeへの攻撃の研究により名を馳せた。ヴァラセク氏はコンサルティング会社IOActiveのセキュリティ情報担当者で、同社はマイクロソフトのシステム・セキュリティの脆弱性を指摘することで有名だ。両氏が開発したハッカー技術は、時速130キロで走行するプリウスに急ブレーキをかけさせることが可能だ。また当然ながらプリウスを加速させ、ハンドルを操作することもできる。また両氏は低速走行中のクーガのブレーキを無効にすることが可能だ。ドライバーがどんなに力を込めてブレーキを踏もうと、クーガは前進を続けるというのだ。
ヴァラセク氏は、「運転手の近くに多くの人がいたら、どんな事態が発生するだろうか?」と語った。ミラー氏は、「100人のセキュリティ研究者の研究は、フォードやトヨタの目よりも役に立つ」と述べた。両氏はその他のホワイトハッカーが自らの行為に刺激を受け、自動車のより多くの安全リスクを見つけ出すことを望んでいる。しかし両氏は実際に乗車しながらトヨタとフォードの脆弱性を調べ、ノートPCにより自動車のコンピュータネットワークに接続した。本当に1台の車を操ろうとするならば、遠隔操作技術を採用しなければならない。しかし彼らは、同技術に関連するいかなる情報も公開しないことを決定した。