ブロードバンド中国戦略 人々の暮らしにもたらす変化とは?
中国国務院はこのほど、「ブロードバンド中国」戦略およびその実施プランを発表した。これは中国のブロードバンド戦略が、正式に国家レベルに格上げされたことを意味する。「ブロードバンド中国」戦略は、中国の人々にどのような利益をもたらすのだろうか。新華網が伝えた。
◆通信速度の向上、新業態やチャンスの増加
計画によると、中国のブロードバンドネットワークインフラの発展水準は2020年までに、先進国との差を大幅に縮小する。中国の国民はブロードバンドのもたらす経済成長、サービスの利便性、発展のチャンスを手にする。2020年までにブロードバンドネットワークは都市部・農村部を全面的にカバーし、固定ブロードバンドの家庭普及率は70%に、3G/LTEのユーザー普及率は85%に、行政村のブロードバンド普及率は98%以上に達する。
中国工業情報化部の苗ウ部長(ウ=土+于)は、「通信速度の向上、光ファイバーのコスト削減に伴い、ネット通信料はさらに割安になる。これはブロードバンド応用モデルのイノベーションを促し、新市場・新業態を育成し、EC事業、現代物流、ネット金融などの現代サービス業の発展を加速し、クラウドコンピューティング、モノのインターネット、スマート端末などの次世代情報技術産業を拡大する」と指摘した。
中小企業は「ブロードバンド中国」戦略の受益者となる。インターネットは企業の生産・経営フローに融合する。中小企業を対象とする第3者ECサイトは国からの支援を受ける。企業のオンラインの販売・調達・顧客マネジメントなどの活動がよりスムーズになり、効率がアップする。
◆電気通信ユニバーサルサービス基金が登場、都市部・農村部の情報の格差を縮小
今回発表されたブロードバンド発展戦略と実施プランの中で、中国国務院は初めて「電気通信ユニバーサルサービス補償メカニズムを構築し、農村・中西部地区のブロードバンド発展を支援する長期的・効果的なメカニズムを形成する」と提案した。人民郵電報の王保平編集長は、「これは業界内で呼び声が高かった、電気通信ユニバーサルサービス基金が登場することを意味する」と述べた。