ビッグデータの活用 北京交通渋滞の特効薬となるか
北京は9月に計9日間の深刻な渋滞日を迎えると見られ、9月は「最も混む月」になりそうだ。現地ではすでに関連の特別アクションプランが実施されており、深刻な渋滞が発生すると予想される労働日や、退勤ラッシュ時の降水といった特殊な天気の場合、各企業・事業単位は業務時間を柔軟に調整できると規定した。広州日報が伝えた。
この情報の中で注目すべきは、北京が一定期間フレックスタイム制を導入することではなく、未来の交通状況を科学的に正確に予測し、政策をタイムリーに施行した点である。これは都市の渋滞の緩和に対して、新たな考えと手段をもたらした。これはまた、ビッグデータを利用した科学的な渋滞解決に向け、重要な参考例となる。
北京はなぜ9月を「最も混む月」と結論づけたのだろうか。これは主に、同市の交通運行の特徴および過去のデータの分析によって得られたものだ。科学的な予測があれば、合理的な渋滞緩和プランを策定できる。こうした交通管理は、ビッグデータ運用能力を利用している。ビッグデータとは何だろうか。聞き慣れてはいるが、同技術の運用の将来性について深く理解している人は多くないだろう。交通管理の面において、ビッグデータ技術の運用は今後、非常に重要な役割を果たすことになる。
資料によると、北京はほぼ満点の99点により、通勤時の移動が最も苦痛な都市とされている。しかし世界の各大都市において、北京の自動車保有率とその絶対数は、最高の水準に達してはいない。つまり北京の現在の深刻な渋滞は、非合理的な道路交通計画と管理によるものだ。ゆえに交通計画・処理の水準を高めることは、北京が現在の資源条件下で交通渋滞を緩和するための必要な手段である。関連部門はビッグデータ技術を利用し、大量のデータを分析・処理し、道路の科学的な計画、タイムリーな予想、交通圧力の分散の参考にすることが可能だ。
このほど開かれたシンポジウムにおいて、上海市経済情報化委員会の李耀新主任は、「ビッグデータの登場に、都市の渋滞解決の期待がかかっている」と語った。テレマティクスを例とすると、都市で車と車、車と道路を十分にリンクさせれば、理論上は道路交通能力を270%引き上げられる。これはつまり、ビッグデータの活用は技術の支えが必要であり、それにより効果的にデータを収集・処理できることを示している。上海が現在進めているスマート交通システムのインフラ整備が竣工すれば、道路交通誘導システムにより車両のルート選択を導くことが可能だ。
ビッグデータ技術は、都市の交通渋滞の解決に対して、無限の潜在力を秘めている。道路交通の計画・管理に判断と決定の根拠を提供し、交通機関の構造を改善し、個人にリアルタイムの交通誘導を提供するといったさまざまな面において、ビッグデータ技術は積極的な力を発揮できる。北京の「最も混む月」に対する交通プランは、ビッグデータ活用の初級水準に留まっている。ビッグデータの潜在力を発揮するためには、インフラ整備への投資拡大、ビッグデータ時代に適した道路交通網の早期構築を待たなければならない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月2日