中国人科学者、地球から最も離れたブラックホールの質量測定
中国科学院国家天文台の研究員である劉継峰氏が率いる国際チームは、世界で初めて非常に明るいX線天体のブラックホールの質量を測定した。この画期的な進展は、人々のブラックホールおよび周辺の極端な物理現象に対する認識を深めるのに役立つ。同研究成果は28日、世界的な専門誌「ネイチャー」に掲載された。新華社が伝えた。
天文学者は1990年代より、遠くの恒星系に非常に明るいX線天体を発見している。これらの天体は、人々が探し求めてきた中質量のブラックホール、もしくは特殊な放射メカニズムを持つ太陽の数倍-数十倍の質量の恒星級ブラックホールである可能性がある。世界の天文・天体物理学界はその定説を導き出せず、諸説紛々としていた。これらの天体の多くは地球から数千万光年も離れており、またX線がブラックホールの降着円盤を照射することで生まれる光汚染も強いため、測定は極めて困難だ。
劉氏の研究チームは綿密な研究計画を練り、特色ある天体を選択した。ハワイの口径8メートル級の大型望遠鏡、口径10メートル級のケック天文台の各20時間の観測時間を申請し、3カ月間に渡り渦巻銀河のX線光源「M101ULX-1」に対する研究を実施、その中心天体が恒星と同等の質量を持つブラックホールであることを確認した。このブラックホール+星により形成されるブラックホールX線連星は地球から2200万光年離れており、人類がこれまで発見しているうち最も遠く離れたブラックホールX線連星だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月29日