中国人科学者 紙に電子回路を直接印刷するプリンタを開発
中国科学院理化技術研究所の劉静研究員が率いる研究チームは、液体金属を使って紙に電子回路を印刷する技術を発表したことに続き、室温状態で紙に電子回路および3D電気機械部品を直接生成できるデスクトップ型3D自動プリンタの試作品を完成させ、新技術の普及に向けて重要な一歩を踏み出した。同研究の論文はネイチャーパブリッシング・グループの電子ジャーナル「Scientific Reports」で発表され、世界の各著名科学メディアのトップ記事で紹介された。中国科学報が伝えた。
「フレキシブルな電子回路の紙への直接印刷」と題するこの研究において、研究チームは液体金属の応用および印刷メカニズムの解析により、高精度で印刷線が太い多孔質印刷技術を開発し、液体金属インクの粘着性とマッチする紙基材を選び、さらに業務用機械を利用し液体金属の高表面張力の制限を突破できる電子プリンタの試作品を製造した。同論文はまた、伝統的な回路印刷技術と異なる紙への回路印刷(PCP)のコンセプトを発表し、電子デバイスの紙への直接印刷技術を確立した。
同システムを使用すれば、事前にプログラムを設定しておくだけで、一般的な銅版紙に回路やアンテナなどの電子部品を自動印刷し、パッケージングすることができる。特に導電性・絶縁性インクの重なりの組み合わせに関するプログラムを設定することで、3D電気機械複合システムの直接印刷を実現できる。これは既存の技術にはない特性だ。
3Dプリントは今、世界の先進技術のホットスポットとなっているが、既存の方法では金型そのものしか印刷できず、電子機能を含む部品の製造の需要を満たせていない。室温状態で電気システム・機器を同時印刷し、部品のパッケージングを実行できる液体金属印刷技術は、新たな希望をもたらしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月24日