香港マカオ通行許可書の新旧両タイプを提示する人民警察官 |
中国公安部(省)は広東省で20日、電子版の香港マカオ通行証明証の導入試行を開始した。電子通行証には、デジタル化された個人データや指紋データが収められており、所持人は、出入国の際に口岸で自動化ゲートを利用することができる。人民日報が伝えた。
公安部担当者は、電子通行許可証のメリットや特徴などの詳細について、次の通り説明した。
○成人の通行許可証有効期限、5年から10年に延長
香港マカオ通行許可証の電子化改革は、時代のすう勢や変化発展に対応するものであり、通行証の発行効率や口岸での検査効率を高め、通行証の安全性に対する需要により万全に対応できるようになる。
電子通行許可証の導入によるメリットとして、以下の5点が挙げられる。
1 携帯と使用の利便化
電子通行証は、電子版渡航文書の国際基準に則り作成されており、サイズは住民身分証やクレジットカードと同じ。
2 偽造防止性能の向上
電子通行証にはICチップが内蔵されており、表面は、新型のレーザー加工が施された偽造防止シールで覆われ、十種類以上の偽造防止安全措置が施されている。
3 ゲート通過効率の向上
電子通行証には、デジタル化された個人データや指紋データが収められており、システムによる自動照合が可能で、条件をクリアした所持者は、香港マカオ地区口岸の自動化ゲートを利用することができる。
4 通行証申請コストの引き下げ
成人用の通行証の有効期限が5年から10年に延長され、16歳未満の子供については、有効期限は5年に据え置かれる。また、香港マカオ通行証に記載される通行記録は、背面に繰り返し記録可能であることから、「記載欄が一杯になれば新しい通行証と交換する」というこれまでの煩わしさから解放される。
5 通行証の発行申請の流れがよりスムーズに
通行証の発行申請方法が一層拡大され、手続が簡便化された。条件を満たす地域では、電子証明書としての機能を存分に活用し、所持人のセルフ申請など迅速な手続サービスを提供することが可能となった。
○初回申請時にのみ、指紋情報の提出が必要
電子通行許可証が導入された後も、大陸部住民を対象とした香港マカオ通行管理政策には変更はなく、通行証発行の申請から受理の流れ、審査認可条件、発行手数料などの詳細は変わらない。発行手続きにおいては、採取された指紋情報の提出およびその確認が新たに必要となった以外は、電子通行証の申請方法、順序、申請のための資格条件などは、現行の通行許可証と全く同じだ。電子通行許可証を申請する際には、「中国公民出入国証明書申請書」に必要事項を記入し、求められた条件を満たす写真および関連根拠資料を添えて提出しなければならない。
また、初めて電子通行証を申請する16歳以上の申請者は、大陸部の公安機関出入国管理部門で指紋を採取する必要がある。16歳以下の申請者の場合は、指紋を採取するか否かについては、保護者の判断に任せられる。電子通行証の所持人が、香港マカオ地区口岸の自動化ゲートの利用を望む場合は、電子通行証の申請時に、「香港マカオ地区自動化ゲート利用に関する誓約書」に署名しなければならない(所持人が16歳未満の場合は、本人に代わり保護者が署名する)。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年5月20日