李克寅さんと古川絹代さんの結婚写真 |
「送電線作業員」と聞けば、「生活や情緒における繊細さに欠ける」「果てしなく続く過酷な屋外の労働環境」「常に土や泥にまみれてのキツイ作業」といったイメージを持っている人がほとんどであろう。李克寅さんも、まさにこのような作業員の一人だ。寧夏新聞網が報じた。
○ロマンチックな出会い
2009年7月10日は、李克寅さんにとって生涯忘れることのできない日となった。李さんは当時、新疆維吾爾(ウイグル)自治区烏魯木斉(ウルムチ)市の北部で、4カ月もの間、自宅に戻ることなく仕事を続けていた。プロジェクト施工業者の計らいで、彼は1週間の休みをもらい、晴れて家に戻れることになった。ウルムチ駅で列車に乗ると、荷物を棚に置いた。そのとき、2人の女性が、重そうなスーツケースを引きずりながら乗車してきた。
「大きなスーツケースですね。私の荷物を下に降ろして、あなた方の荷物を棚に置きましょう」-長身の李さんは、気軽に2人に話しかけ、彼女らのスーツケースを棚の上に載せた。これをきっかけに、李さんらのお喋りが始まった。話すうちに、2人は天津理工大学の留学生であることが分かった。1人は香港出身のシンディさん、もう1人は日本人の古川絹代さんで、2人は夏休みを利用して新疆を旅行し、天津に戻る途中だった。
「もし時間があるのなら、僕の故郷の寧夏に寄ってみませんか?『辺境の江南』と称えられる寧夏は、とても神秘的で美しい土地です。僕が案内してあげますよ」と誘う李さんの誠実な印象と飾り気のない言葉に、2人は大いにその気になり、スケジュールを変更して寧夏に向かうことにした。2人は、沙湖、賀蘭山岩画、西夏王陵など寧夏の観光地を李さんに案内してもらい、地元の名物料理に舌鼓を打った。寧夏人である李さんの「おもてなし」の心が2人に深い印象を残し、寧夏めぐりが終わった1週間後には親友同士になり、名残を惜しみつつ別れた。
もちろん、物語はこれで終わりではない。新疆に戻った李さんは、古川絹代さんと連絡を取り続けた。いつしか2人の間に互いへの恋心が芽生え、ゆっくりと育っていった。