かつての電子産業の巨頭は今、昔のままの姿をとどめてはいないようだ。24日付メディア報道によると、ソニーがこのほど東京に不動産会社を設立、3年以内に株式上場、5年後には年商500億円達成を目指すという。ソニーの今回の不動産事業参入は、同社新事業計画の最初の一歩に過ぎない。ソニーは、新規事業開拓に携わる新部門を設置したと公表しており、3年後を目途に、玩具を含む10以上の新規事業開発に取り組む。京華時報が伝えた。
実は、ソニーの事業戦略の方向転換には、前兆がなかった訳ではない。日本の電子製品業界はここ数年落ち込みが続き、消費者の眼が米アップルや韓国サムスンに向けられるようになった。市場では、テレビ、カメラ、パソコン需要が低下し、かつての巨頭ソニーも泥沼にはまり込んだ。今年3月末までの財政年度のソニーの赤字額は11億ドル(約1126億円)に上る見込み。
ソニーのCEOに昨年就任した平井一夫氏は、就任直後から赤字経営の立て直しに奔走、思い切った挽回策を次々と講じた。たとえば、人員削減の面では、経費削減のため5千人をリストラすると発表した。また、PC事業の売却やテレビ事業の分社化を断行した。このほか、東京の旧本社ビルとニューヨークの米国本社のビルも売却することに決めた。同時に、会社に新しい「生命力」を取り入れるための新規事業開拓に力を入れる。現存の携帯電話業務やエンタテイメント業務を引き続きしっかり行うのと同時に、医療機器事業の強化にも尽力する。今回の不動産事業計画が今後のソニーの核心業務となる可能性は高い。
冷え切った市場に見切りをつけ、新天地開拓を目指すーー。日本の電子企業各社は、今まさにこの道を辿っている。「プラズマテレビの元祖」東芝は電子製品事業から社会インフラ事業への転向に踏み切った。パナソニックも、テレビやデジタルカメラの枠から飛び出し、住宅事業や自動車部品事業に乗り出した。近い将来、私たちの記憶にある日本の電子企業がこぞって、電子電機業界から影も形も見えなくなる日が、本当にやってくるかもしれない。
23日、不動産事業に参入するニュースが伝わると、ソニーの東証株価は4.1%下落した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年4月28日