「週刊!深読み『ニッポン』」
日本放送協会(NHK)は放送法に基づき1950年に設立された日本初の大衆向け放送機関だ。日本には形式上国営メディアはないため、NHKは政府色が濃い。(文:趙剛・中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)
NHKの籾井勝人新会長は1月25日の就任記者会見で「(慰安婦問題は)どこの戦場にもあった。ドイツやフランスにはなかったとでも言うのか?日韓はすでに条約の形で全ての問題を解決した。なぜ今になってこうした問題を蒸し返すのか。おかしくないか?」と述べた。また、国際放送についての質問に「政府が右と言っているものを、われわれ(NHK)が左と言うわけにはいかない」と述べた。
これらの発言は翌朝には各大手メディアが報道して、大きな物議を醸した。日本政府の一部閣僚、野党議員、各大手メディアは籾井氏の発言を厳しく批判した。籾井氏は事態収拾のため27日午前の共同通信のインタビューで、自らの発言を修正。「一昨日の発言は個人的見解に過ぎないし、あのような記者会見は初めてだったので、どう対応すべきか分からなかった」と主張した。
しかし、すでに準国営大衆放送機関に就任した首脳が、正式な記者会見での不適切な発言について、「個人的見解」として言い逃れをすることがどうしてできようか?だが、事態はかくもうさんくさかった。籾井氏本人がこう述べただけでなく、政府高官の管義偉官房長官でさえもが同様の理由で「すでに問題はない」と述べて、籾井氏に助け船を出し、まるく収めようとしたのだ。