本来ならば白い綿羊であるはずなのに、異なる色の羊が誕生した。2頭の羊は毛が黒く、頭の上に白い斑点がある。2頭の羊はパンダのような黒と白の模様の毛を生やしている。それから1頭の羊は、茶色と白が混ざっている。新華社が伝えた。
この「先天的な違い」は、新疆畜牧科学院生物技術研究院の劉明軍研究員が率いるチームの、ゲノム編集技術によるものだ。
綿羊にとって毛の色は、その経済的価値を左右する特徴だ。これは綿羊の育種において、最も重視される特徴でもある。
劉氏は、「チームは綿羊の毛の色に影響を及ぼす重要遺伝子(ASIP)を編集した。ゲノム編集により、羊毛のその他の品質を変えずに、異なる色の毛を持つ羊を生み出すことができる」と説明した。
毛の色の遺伝は、さまざまな遺伝子によって左右され、遺伝において劣性を示す。通常の育種方法であれば、一種の毛の色を選び固定させるためには、数世代の時間をかける必要がある。これは時間がかかりすぎ、困難で、遺伝育種の主な難題とされている。劉氏は、「ゲノム編集技術によって、我々はこの問題を解決できる。人類はゲノム編集技術によって、ゲノムの任意の位置で遺伝子を切り取り、編集することで、需要に基づき生物の各種特徴を変えることができる」と話した。
ゲノム編集技術には、一般的な「遺伝子組み換え技術」の安全リスクがない。そのため最も安全な遺伝子操作技術とされている。
劉氏は、「同技術は綿羊のような大型動物での応用に成功している。これは今後、ゲノム編集済みの優秀な特徴を持つ家畜の新品種が誕生することを意味する。もちろんこれは毛の色、家畜だけに限られることではない」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月8日