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日本の漆工芸技法「蒔絵」の洗練された技術

人民網日本語版 2016年06月28日15:56

今回、京都市上京区の茶室で、蒔絵(まきえ)師・平野雄一さん(74)を取材した。平野さんは家業を継いで約50年の間、この伝統工芸の盛衰を目にし、日本の伝統工芸が少しずつ衰退していくことに不安を感じ、改良やイノベーションを通じて現代社会においても継承され続けてほしいと考えている。人民日報が報じた。

日本の漆器は長い伝統を誇る。京都の京漆器は、中国の影響が強かった奈良時代の文化(唐風)の影響を受けており、独特の漆工芸技法である「蒔絵」を生み出した。蒔絵は、漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法で、非常に豪華なできあがりとなる。

漆器の製作は分業制、匠の技の協力があって完成できるもの

京都は、日本の「職人の里」とも呼ばれ、約3000人の伝統工芸士を抱える。平野さんは京都で蒔絵の体験教室を開いて、伝統工芸が好きな日本の若者や外国人観光客が蒔絵に触れることができる場を提供している。平野さんの仕事場の壁には、日本伝統工芸品産業振興協会が発行した「伝統工芸士」の資格証と京都府が発行した伝統産業優秀技術者の賞状が掲げられている。

取材の中でも平野さんからは職人としての誇りが感じられ、「京都府から優秀な蒔絵師として表彰された人は3人だけで、京都で『蒔絵師伝統工芸士』の資格を持つ人も20人しかいない。『伝統工芸士』になるには、まず、12年以上の実務経験が必要で、それから知識試験と実技試験に合格して初めて資格を取得できる」と語った。

漆器の製作には少なくとも30の手順を経るため、一つの作品を作るのに数年かかる。まず、木地師(きじし)が、木地作り、次に塗り師が漆を塗る。そして、最後に、蒔絵師が漆で絵や文様、文字などを描き、金や銀などを蒔いて仕上げる。各職人らの工芸技術を一つにした完成させたのが漆器工芸品で、そこには、それぞれの職人が「自分の得意分野を極める」というこだわりが詰まっている。


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