「海街diary」の四姉妹は、癒し系美女の代表でもある。日本の顔面偏差値の高いアイドルは、驚くほど入れ替わりが激しい。人気になったかと思うと消え、また新人が登場するアイドルと比べると、ゆったりと安定したパフォーマンスを見せるのが山田洋次監督(85)。昨年と一昨年も「母と暮らせば」と「家族はつらいよ」を製作した。「母と暮らせば」を見ると、山田監督の傑作 「母べえ」や「小さいおうち」を思い出す。後者2作品の舞台は戦時中であるのに対して、前者2作品は戦後間もない時期が舞台だ。日本人にとって、そのような時代を振り返り、映画を通して一般人にとっての戦争やその悲劇を追求するというのは、心が痛むものであり、勇気が必要となる。そこで向き合うべきものは、心の傷や痛みだけでなく、道義に反する行いをした者が感じる恥ずかしさも含まれる。精神的な拠り所であった「小さいおうち」は、戦争によってなくなり、戦後には崩壊してしまう。政府の犯す悪行は嫌悪感が募るものであり、一般人もそれに巻き込まれ、苦しみを味わったことを考えると、戦争は本当に憎むべきものだ。山田監督はそのような暗黒の時代に幾度となく焦点を合わせ、そのような状況下における、一般人の抵抗、愛に対するあこがれ、後悔、もどかしさ、配偶者、家族、世界に対する思いを、真っ暗な暗闇の中を照らすかすかな光のようにして描き出している。そのようなかすかなぬくもりこそが、山田監督が世間の人たちに伝えるメッセージだろう。
是枝監督や山田監督が代弁している、今の日本映画の最も良い所をどのように表現すればよいのだろう?その表現方法とは、河瀬直美監督がメガホンを取った映画「あん」で、樹木希林演じる徳江があんの作り方を他の人に教える際、心を込めて、相手に耳を傾けながら教えるシーンのような感じではないだろうか。そこには他人への思いやりや優しさがあふれており、ぬくもりが感じられる。 (編集KN)
「人民網日本語版」2016年1月12日
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