2017年9月8日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

新着|政治|経済|社会|文化
中日|科学|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>中日フォーカス

鈴木清順監督が死去 日本ヌーヴェルヴァーグのキーパーソン (2)

人民網日本語版 2017年03月01日10:17

鈴木さんのスタイルは映画だけでなく現実の世界にも波及し、その映画「殺しの烙印」(1967年)の難解さに所属していた日活の堀久作社長が激怒。解雇されてしまい、それに抗議したファンや映画関係者が「鈴木清順問題共闘会議」を結成して、デモを行うなど、社会問題にまで発展した。つまり、当時のムーヴメントの激しさは、映画そのものに限らないということだ。当時を振り返ると、血気盛んな若者の体にみなぎるエネルギーを感じることができる。

それとは対照的に、その後は落ち着いた時代に入り、技術が世界全体を支配するようになると、世界はバラエティに富むようになったかのように見える。しかし、その背後に隠れているのは、ハイテク精神の中にある冷たい理性だ。「ヌーヴェルヴァーグ」の時代を過ごした人からすると、今の若者はオンラインゲームを通して自分のエネルギーを発散させているように見え、「技術体制の前に肉体が衰退している」と嘆くかもしれない。

鈴木さんもはその後も、「ツィゴイネルワイゼン」(81年)を完成させ、ベルリン国際映画祭審査員特別賞を受賞する快挙を成し遂げるなど、数々の名作を作り続けた。しかし、鈴木さんの名は、どうしても60年代のヌーヴェルヴァーグと切っても切り離すことはできない。それは、映画評論家が下心を持ってそのように扱うというよりは、激動の時代を懐かしむ人々の思い、もっと深い所を見れば、人の心の奥深くに押し込まれているエネルギーや苛立ちがそこに詰まっていると言えるかもしれない。


【1】【2】【3】

関連記事

コメント

最新コメント