中国の訳林出版社はこのほど、台湾地区で著名な学者・鄭清茂氏が翻訳した「平家物語」を刊行した。「平家物語」と「源氏物語」は、日本の二大古典名作。1960年代に、作家・周作人が「枕草子」などの日本の古典作品の翻訳を手掛け、「平家物語」も中国語に翻訳しようとしたものの、作業量が膨大で、中国語に訳すのは非常に難しく、結局、「巻第七」まで翻訳して1967年にこの世を去ってしまい、翻訳界にとっては心残りとなっていた。中日文学の研究などに60年間深く携わって来た鄭氏は平家物語の「覚一本」を基に、多くの歳月をかけてその注釈付き翻訳を完成させた。中国語版には貴重なカラーの絵巻や年表、家系図、地図なども付いており、謹厳な文学名作に仕上がっている。深セン商報が報じた。
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鄭氏は台湾大学の中国語学部で学んだ後、米プリンストン大学で東アジア学の博士課程に進み、その間に日本へ足を運んで研究を行った経験がある。そして、米カリフォルニア大学バークレー校やマサチューセッツ大学、台湾大学日本語学部、東華大学中国語学部などの教壇に立った経験を持つ、中日文学の研究にいそしんできた文学界の著名な学者だ。著作には「日本における中国文学」があり、吉川幸次郎の「元雑劇研究」や「宋詩概説 中国詩人選」、「元明詩概説 中国詩人選」、松尾芭蕉の「おくのほそ道」などを翻訳した経験を持つ。
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