文字で表現できない部分を補足
ネットユーザーはどうして絵文字やスタンプを使うことを好むのだろう?中国高校伝媒聯盟の調査では、チャットで絵文字やスタンプを使うメリットについて、回答者の64%が「チャットのムードがアクティブになり、感情を表現できる」とし、49%が「文字で表現しきれないことを表現でき、相手に自分の思いを理解してもらいやすい」と答えた。
浙江工業大学・注意力経済学の張雷教授は、「絵文字やスタンプは、感情をストレートに表現する方法の一種。『ショートメッセージではニュアンスが分からないし、電話では表情を見ることができない』ということは以前からよく言われていた。ネット上での交流では、面と向かって交流する時のように、相手の目や表情を見たり、ニュアンスなどを感じ取ったりすることができず、文字だけでは自分の伝えたいことを正しく伝えることが難しい。絵文字やスタンプは、それらインターネット上での交流で不足していた部分を補ってくれた」と分析している。
前途明るいスタンプ経済
絵文字やスタンプは、ネットユーザーの間で大人気となっているだけでなく、経済効果も出ている。「スタンプ経済」は現在、スマホの産業チェーンにおいてますます軽視できない存在となっている。
ある業界関係者によると、現在、スタンプを通してお金を稼ぐ方法には▽スタンプを製作して、SNSアプリなどでダウンロードする際、有料にする▽企業やメーカーなどから注文を受けてスタンプを製作する▽IP(知的財産権)を取得して印税を得るというように、主に3つのものがある。
報道によると、韓国のIT企業ネイバーの子会社「LINE(ライン)」は、スタンプ業務で、中国元にして年間18億元(約288億円)を稼いだという。同社は、ユーザーに人気のスタンプの関連商品なども打ち出している。そして、ネットショップの天猫や京東などにテーマショップを開設して、スイーツなどの製品を販売したり、他のブランドと提携してTシャツやコスメ、ゲーム、アニメなどを打ち出したりして、付加価値を生み出している。
スタンプは現在、ネット上でコミュニケーションを図るための新たなアイテムとなっており、スマホの産業チェーンにおいても軽視することのできない地位を築いている。しかし、スタンプの著作権保護はなかなか解決できない問題となっている。北京商業経済学会の頼陽秘書長は、「使用権を得ずに、他人が製作したスタンプのイメージを使って商業活動をし、利益を得た場合、それは著作権侵害に当たり、関係するプラットフォームも連帯責任を負わなければならない。スタンプを製作している業者は、知的財産権登録の申請を行い、クリエイターの権益を保護しなければならない」と指摘している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月20日
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