日本では、1980年から2010年代初期まで約30年間、ゆとりある学校を目指して「ゆとり教育」が実施されていた。では、「ゆとり教育」の結果はどうだったのだろう?中国の教育改革にとっては、どんな教訓となっているのだろう?(文:楊三喜。新華思客掲載)
復旦大学(上海)高等教育研究所の陸一氏の研究では、「ゆとり教育」は深刻な副作用をもたらした。例えば、ゆとり教育により、学習時間や内容は減らされたものの、優秀で一生懸命勉強している学生に、国はサポートを全く提供してこなかった。また、「ゆとり教育」の政策の下、クオリティの高い教育は公立校ではなく、私立校でしか受けられなくなり、公立校の教育のレベルは低下し、学生たちは最低限のゆとりある教育しか受けられなくなった。そして、学習塾産業が台頭するようになり、その結果、経済的に余裕のない家庭の子供はクオリティの高い教育を受けられないため、中流階級にとっては負担が増した。
日本の国民の全体的な学歴が明らかに右肩下がりになり、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)における日本の学生の順位も下がる一方となっている。また、「ゆとり教育」政策により、教育をめぐる経済的負担が高まり、中流階級は子供を産みたがらなくなり、日本の少子高齢化に一層拍車をかける形となるなど、一連の社会問題の原因にもなっている。
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