今年、日本の科学者が再びノーベル賞を受賞した。これで、日本は1949年以降、ノーベル賞受賞者25人を生み出し、今世紀に入ってからは毎年平均1人のペースで受賞していることになる。メディアは、科学研究への投資やイノベーション型思考の育成、学術界の自由な雰囲気など、さまざまな観点から中国と日本の違いを分析している。本記事では、日本の科学者の英語力とそれを育成する日本の外国語教育の観点から、中国と日本の違いを分析してみる。(文:中国学術英語教学研究会会長・蔡基剛。文匯報掲載)
日本:「学ぶ英語」から「使う英語」へ
日本の大学の外国語教学は、これまでずっと学術英語の能力向上に力を入れてきた。ノーベル賞受賞者を最も多く輩出してきた東京大学や京都大学を例にすると、英語はわずか7~8単位で、主に学術英語の読み書きや陳述などを学ぶ。学年が上がると、医学や地球科学、数理科学、化学などの分野の英語を学び、主に専門的な文献や定期刊行物を読んだり、論文を書いたりする訓練を受ける。
日本政府が2001年に、「50年間でノーベル賞受賞者30人」という目標を掲げたのに呼応して、日本の英語教育改革も進んでおり、文部科学省は02年「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」を発表。大学生に対し、学ぶ英語から使う英語への切り替えを促している。そして、学術やテクノロジーの分野の英語が、以前にも増して大学で教える英語の主な内容となった。例えば、私立の早稲田大学は1年生と2年生向けに、「学術英語講座」や「学術英語交流」、「学術英語読解」などの授業を開設しているほか、2学期にわたるテクノロジーに関する英語の作文講座を開設している。さらに、「技術陳述」という授業もあり、学生の科学研究における発見や成果を口頭で陳述する能力の向上に取り組んでいる。この他にも、パワーポイント作成スキルや質疑応答、会議の司会、ディベートといったスキルも学ぶことができる。
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