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子供の声を「騒音」と見る無縁社会の日本 (2)

人民網日本語版 2017年05月05日16:34

日本人の人間関係における鉄則は「迷惑をかけてはいけない」。しかし、「自立」を強調しすぎるあまり、極端に走ってしまうこともある。10年、NHKは「無縁社会〜新たなつながりを求めて〜」と題するドキュメントを放送した。「無縁」というのは、会社を基礎とする社会的なつながり「社縁」、親子・兄弟姉妹などの血のつながりを基礎としてつくられた社会的関係「血縁」、住む土地にもとづく縁故関係「地縁」がない状態だ。少子高齢化、失業、嫌婚、都市化などが無縁の原因だ。「無縁」の人は生きていても、仕事もなく、配偶者もおらず、子供もおらず、誰ともつながりがなく、帰る田舎もない。そして、死んでも、誰もそれを知らず、遺体を引き取る人もいない。そのような人が生活している社会は、「有縁社会」から、「無縁社会」へと少しずつ変化していく。統計によると、日本では毎年3万2000人が「孤独死」しているという。

騒音問題の専門家である、八戸工業大学の橋本典久教授は、「子供の声を我慢するようにというのも、工場から出る騒音のように子供の声を規制するというのも極端な考え方。幼稚園の騒音は音の大きさの問題だけでなく、人間関係とも関わりがある。防音壁を設置するなどの対策を講じるほか、互いに譲歩して、良好な人間関係を築くことが最も重要」との見方を示す。

実際には、生活の中で不快に感じる多くの事も、視点を変えてみると違う結果になるものだ。筆者は最近、東京品川区のある老人ホームを取材した。その老人ホームは、10階建てビルの5-10階にあり、1-4階は中学校の寮となっている。老人ホームの施設長によると、このような環境にすることで、高齢者に若者の活力を感じてもらうことができ、中学生もボランティアに参加しやすい。そのようにして、「心のきずな」ができ、高齢化問題の解決にもつながるという。

20年後にもらう年金には、鼻水を垂らしながら騒いでいた子供たちが納めた税金が入っていることを考えると、にぎやかな子供たちを、眉をひそめて見るのではなく、笑顔で受け入れることができるのではないだろうか。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年5月5日


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