日本でこのほど起きた老人が人々に向かって火炎瓶を投げるという凶悪事件が、各方面の関心を呼び起こしている。警察の話によると、東京都杉並区に済む68歳の男性が、サンバのイベントで集まった群衆に向けて火炎瓶6本を投げ込み、15人にケガをさせた。警察が発見した時には、容疑者をすでに首をつっており、病院に搬送されたがまもなく死亡したという。人民日報が伝えた。
凶悪事件はこれだけではない。7月25日には神奈川県相模原市にある障害者施設で殺人事件が発生し、死傷者数が第二次世界大戦以降で最多の殺人事件となった。若い男性が刃物を持って施設に侵入し、入居者19人を殺害し、26人を負傷させた。
2つの凶悪事件の犯人の共通点は、引きこもりがちな性格、無職で社会との接点がないということだ。凶行の対象を一般市民や弱者に絞り、大勢の死傷者を出したところも似ている。
1カ月の間に連続して凶悪事件が発生したことに、日本の人々は恐怖感を抱き、日本の安全神話はもはや過去のものなのかと疑問をもち始めている。
分析によると、凶悪事件頻発の背景には、深刻化する貧困と社会からの疎外感がある。貧困と孤独は日本社会の凶悪事件の背後にある重要な要因だ。こうした状態に陥り、精神的に崩壊寸前の人は、極端な方法で怒りを表現し、犯罪行為に手を染めやすい。
2015年末現在、日本の生活保護受給者は217万人を超え、戦後最高を記録した。このうち65歳以上の高齢者が世帯主の世帯が初めて半数を超え、50.8%に達した。
高齢化が進む日本社会では、わずかな年金で暮らす高齢者や経済的基盤がまったくない高齢者が大勢いて、助けを求める先もなく孤独の中に苦しい日々を送っている。火炎瓶を投げて自殺した容疑者もこうした高齢者の一人で、仕事はなく、配偶者とは死別し、貧困の中であえぎ、生活に希望をもてなくなっていた。分析によれば、生きる理由を失った高齢者は破壊的な犯罪を犯しやすいという。
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