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雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎にとって、一番の楽しみは、仕事の合間に立ち寄った大衆食堂系の店で、一人でひたすら食事をする。このようなシーンが20分続く。(文:李■城、■は各へんに隹。文匯報掲載)
それぞれの国のドラマの「一人飯」を見てその国の「孤独」の解釈を紐解く
「孤独」をランク付けするとすれば、「一人で食事」はレベル10になるだろう。一人で食事する場合、食事をする上での接待や付き合い、お互いへの妥協などを全て拒み、自分の本能と欲望のままに振舞うことがもはや邪魔されることはない。一人で食事をしている時、どんな味を感じるかで、その人がどんな人か、どこから来た人か、どのような道を歩んできた人か、どんな先祖の血を受け継いでいるかを知ることができる。ドラマで登場人物が一人で食事をしているシーンを見ると、その国や地域の文化では、「孤独」がどのように見られているかを垣間見ることができる。
徐■(■は山へんに争。シュウ・チェン)が以前取材に対して、「米ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の副大統領がスペアリブを食べるシーンが特に好きで、何度も見ている」と話したのを覚えている。街中のある高齢の黒人が経営する小さなレストランに、眉間にしわを寄せた副大統領が入っていき、一番分厚いスペアリブを注文する。できたてで熱々のスペアリブが運ばれてくると、副大統領は、店の外の壁際のテーブルに座り、これ以上の幸せはないと言わんばかりに、おいしそうにそれを頬張る。副大統領は妻と共にその店に来ることはない。テキサス州の田舎で育った彼にとって、一人でスペアリブを食べる時間は、「昔に戻れる一時」なのだ。これは米国ドラマにおける一人で食事するシーン。大きな権利を持つようになった男性にとっての「孤独」は、思い出に浸る時間なのだ。
中国文化では「食事」がどのように見られているかは、香港地区のテレビジョン・ブロードキャスト(TVB)で放送されているドラマのセリフを見るのが最も良い方法だろう。感情を表現する時はいつでも食事が絡められるものだ。「お腹すいた?ラーメンでも作ってあげようか?」、「早くこっちに来て糖水(香港地区で有名なおしるこのようなデザート)を飲んで。糖水があれば、とても幸せ!」、「一番大切なのは、家族みんながテーブルを囲んで一緒に楽しく食事をすること」・・・。中国では、一番楽しいことは、家族みんなで糖水を飲んだり、火鍋を食べたりすることで、一人で食事をするということは、孤独で寂しく、助けを求めている状態を指す。でなければ、火鍋の店・海底撈は、一人で食事をしに来た客の席に置くクマのぬいぐるみを用意する必要はないだろう。
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