車体の大きなバスとすれ違うと、今度は近くの通行人と自転車をやり過ごした。世界モバイル大会上海(モバイル・ワールド・コングレス<MWC>上海)が行われた上海市の上海新国際博覧センターで、疑似体験ゲーム機の運転席に座った孫さんは、30キロメートル離れた同市嘉定区の別会場にある自動車を運転していた。これは自動車レースのゲームではなく、通信速度が大幅に向上した5G技術に基づくリアルな運転体験だ。中国移動(チャイナモバイル)と中国聯通(チャイナユニコム)はこのほど、上海、広東省、深セン市などに国内初の5G基地局を設置し、工業情報化部情報通信発展司の陳家春副司長も大会の中で、「通信キャリアが北京市に5G基地局30ヶ所を設置する予定」と述べた。「北京日報」が伝えた。
大会の5G技術展示ブロックにいた担当者は、「市民感覚からいえば(この疑似体験ゲームは)自動車レースのゲームみたいだと思うが、実際はそうではなくて、本当に車を運転している。5Gの高速ネットワークは時間のズレが限りなくゼロに近く、4Gの10分の1を下回り、基本的にほとんどわからないほどのズレしかない。これは遠隔操作での運転や車のインターネット(IoV)などの技術の根幹になるものだ」と説明する。
中国移動の5G基地局第1弾が上海市嘉定区と広州大学城ですでに稼働している。中国聯通も深センに初の5Gモニタリングテストステーションを設置した。こうした上海や広州での単独の5Gテスト基地局プロジェクトに比べ、北京で行われるのは5G基地局30ヶ所を設置する大規模なプロジェクトだ。北京プロジェクトを進めるキャリアは北京5G開放実験室を設立し、北京での5Gのスマート端末技術および産業の発展に重点を置くなど次々に配置を進めており、5G時代がまもなく始まること、5G産業配置が前倒しで動き出していることがわかる。
陳副司長は、「産業界は周波数の統一計画を強化し、グローバル5G統一基準を形成するよう後押ししている。これと同時に、通信キャリア側も融合革新を強化し、重点分野での先行テスト展開を後押しするとともに、開放的協力を重視し、グローバル産業圏を構築しようとしている」と述べた。
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