2003年、呉さんは大学を卒業し、以前は逃げだしたかった実家に戻った。そして、砂ぼこりが嫌いだった彼は、すぐに荒野に引っ越した。そして、第一陣の木の苗が届くと、仲間らと共に、朝から晩まで十数時間も働き続け、暗くなると、木の周辺に掘った穴で寝るという生活を数ヶ月続けた。
「僕たちはトングリ砂漠で14年かけて20キロにわたって植樹した。1年当たり、1キロちょっとの計算。トングリ砂漠は少なくとも600キロあるため、今のペースなら少なくとも500年はかかる」。呉さんは冗談っぽくそう話し、「以前は少しでも広い場所に木を植えることばかり考え、3年後、5年後にそれらが管理されているかは考えていなかった。また、どれだけの木を植えて、どれだけの木をちゃんと管理できるのかなど考えていなかった」と振り返る。
しかし、ある年の冬、呉さんは日本で、わずか2ヶ月の間に、専門家が樹齢100年以上の大きな木を5-6回も剪定しているのを目にして、「保護」の重要性を理解するようになり、アルシャーに戻ってから、仲間と共に剪定の計画を策定した。
呉さんは「環境保護」という「種」を一人でも多くの人の心に植え、一層多くの人が「植樹」について意識するようになることを願っており、「木を植えるだけでなく、『心』も育てなければならない。『砂漠化がこわいというよりは、人の心が砂漠化するのがこわい』。これは、僕の父親が以前よく言っていたこと」と話した。
当初、日本には、実際にその砂漠に行ってみたいというボランティアがたくさんいた。そして、毎年、呉さんはボランティアの名簿を作り、さらに、現地の小学校を訪問して、日本のボランティアが短期間アルシャーの小学生の家にホームステイして、一緒に植樹を体験できるよう、「マッチング」をしようと試みた。
呉さんの取り計らいで、最も多い年で、日本のボランティアと中国の小学生の家庭40組の「マッチング」に成功した。日本人ボランティアは、最年少で20代の大学生、最年長では80歳近くの高齢者夫婦までいた。最近、呉さんは、この活動に参加し、大学を卒業したあるアルシャーの男性が、日本に遊びに行った時に、当時ホームステイした日本人の家に泊まったことを聞いたという。
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