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ベストセラー作家・東野圭吾 かつては「冬の時代」も (2)

人民網日本語版 2017年07月13日14:31

推理小説には主に本格派と社会派の2つの流れがある。本格派は厳密な推理による謎解きの小説、社会派は犯罪を描くことで社会の現実や人間の複雑さをえぐり出す小説だ。本格推理小説には100年以上の歴史があり、一連のスタイルやモデルが確立されている。探偵にはあまり賢くない助手がいるとか、吹雪が吹き荒れる雪山や孤島で事件が起きるなどだ。東野氏の初期の作品「放課後」などは本格派に属していた。

当時は1980年代から90年代の時期にあたり、日本の推理小説界は「新本格」ブームに沸き、作品が次々生まれていた。「新本格」とは「トリックの設定からトリックの解明まで」が行われることが前提で、そこにさらに独自の設定を組み込んだ推理小説を指す。この時代にあって、「社会派」寄りの着実な作品を書いていた東野氏が推理小説界の潮流と相容れないことは明らかで、東野氏自身、後にインタビューに答える中で、「正統派の本格推理小説を書く人はたくさんいたので、わざわざ自分が書く必要はないと思った。自分は自分にしか書けない作品を書こうと思った」と振り返っている。

こうして江戸川乱歩賞を受賞してから長い間、東野氏は大量の作品を生みだしたが、注目度はそれほど高くなかった。99年には「秘密」で日本推理作家協会賞を受賞した。

新経典文化股フン有限公司(フンはにんべんに分)で副編集長を務める黎遙さんは、「『秘密』はミステリーの殻に包まれたラブストーリーだ。この斬新な内容の作品がきっかけとなり、新しい読者層が切り拓かれ、東野氏は一躍人気作家となった。直木賞を受賞した時には、すでに押しも押されもせぬ人気作家だった」と話す。


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