「中国で最も稼ぐ外国人作家ランキング」の創設者・呉懐堯氏は、「日本人作家が中国の読者の心を捉えているということは、文学の魅力に国境はないということで、意識形態を超えている」と話す。 華西都市報が報じた。
推理小説とは少し違う「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は100万冊以上売れ、ネット上の話題をさらい、さらにはその他のシリーズ作品も大ヒットして、東野圭吾の中国での印税収入は2200万元(約3億5200万円)に達し、長年「中国で最も稼ぐ外国人作家ランキング」1位だった「ハリー・ポッターの生みの親」であるJ・K・ローリングを上回った。
外国の小説がネット上で大きな話題となっている背後には、その人気を陰で支える翻訳者の功績がある。いくら原作の内容が良くても、翻訳がしっかりしていなければ、それらの小説が日の目を見ることはなかっただろう。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の翻訳者・李盈春は東野圭吾のファンで、2010年から推理小説のキングである東野圭吾の小説を翻訳している。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を翻訳する際、李盈春は心の奥にある純粋な気持ちで、原作から感じられる温かさと癒しを中国の読者に伝えているという。
「読んでみておもしろかったから翻訳引き受けた」
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を翻訳する時点で、李盈春は東野圭吾の作品をすでに4年翻訳しており、東野圭吾作品の「ベテラン翻訳者」となっていた。「東野圭吾の小説がずっと好き。出版社の新経典は東野圭吾の作品の版権をたくさん所有しており、『笑小説』シリーズである『怪笑小説』、『毒笑小説』、『黒笑小説』や『探偵倶楽部』、『むかし僕が死んだ家』などをこれまでに翻訳してきた。楽しく仕事をさせてもらい、双方とも満足しているので、これまでずっとタッグを組んできた」と李盈春。
このように、安定した一般的なパートナー関係を長期にわたり続けてきたため、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」がネット上で爆発的な大ヒットとなったことは、李盈春にとっては意外なことだった。「翻訳を担当するのに至った過程はとても淡々としていた。ある日、編集者に『こういう作品があるんだけど、翻訳してみる?』と聞かれて、日本のアマゾンでその評価を見てみると、わりと高い評価だったため、『目を通してみるので、送ってくれ』と答え、その後翻訳することにした」という。初めて同作品を読んだ時、李盈春は、構想がとても巧妙で、温かいストーリーだと感じると同時に、東野圭吾のそれまでの作風とは異なると感じたという。
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