〇乗客:選択肢が増えたことは歓迎するが、配達料がやや高い
注文を終えた記者は、西安北駅の待合室に向かった。午前11時近くになると、制服を着たデリバリースタッフがデリバリー用の箱を手に優先的に待合室からプラットホームに向かうのが見えた。11時5分になると、乗客もプラットホームに入ることが許され、記者も乗車して自分の座席を探し、席に着いた。11時20分にD6815号は西安北駅を発車し、その発車からわずか3分後には、食事が載ったトレイを持った乗務員が予約した食事を座席まで届けに来た。肉夾饃は断熱バッグで包装され、開けるとまだ熱々だった。ケンタッキーのフルーツジュースは、2層のビニール袋で包装されていて、ペーパーナプキンがたくさん添えられていた。
周囲の乗客から驚きの眼差しを向けられる中、記者はこの「高速鉄道デリバリー」を食べ終えた。その後、全車両を回り乗客の様子を観察したが、持参した食べ物や車内で購入した弁当を食べる人が圧倒的多数で、この日、同サービスを利用した乗客には一人も出会えなかった。
そこで「高速鉄道デリバリー」についての乗客の反応を取材したところ、天津の大学に通う学生の倪さん(女性)は、「私は第三者ネットサイトで乗車券を予約したので、『12306』がこのようなサービスを始めたことを知らなかった。今後、天津に行くときには、あらかじめ沿線駅が提供している食事のデリバリーを利用したい。インスタント麺や高速鉄道弁当以外にもより多くの選択肢が増え、味も保証されている。でも、第三者ネットサイトで乗車券を購入する人は、このサービスを知らないので、注文ページへのリンクが実現するといいと思う」と語った。
一般的な労働者である徐さんは、「乗車券を予約したとき、このサービスについて知り、面白そうだと思って内容を見てみた。だが、私は短距離を移動するだけなので、車内で食事をする必要はなく、このようなサービスは不要だった。今後、長距離を移動する場合には、ネットデリバリーサービスを試してみたい。だが、配達料が店ごとに加算されるのは、やや高いと感じる。それなら、一つの店で購入した方が良い」と感想を漏らした。
〇将来的には店舗やメニューをさらに増加
配達センターの担当者は、「高速鉄道ネットデリバリーサービスは特殊なサービスといえる。まず、あまり早くから食品を加工することはできない。さらに、食事を提供する全企業の注文を配達センターに短時間で集めなければならない。4車両分ごとに1つの保温ボックスに入れて、配達員が駅まで配達して乗務員に渡すが、その時間は極めて短い。このため、現在、食事を提供している企業は全て、西安北駅の構内にあり、いずれもチェーン店だ。一定の参入条件を設けて初めて、食品の安全が保証される」と説明した。
西安特産のグルメで現在提供されているのは肉夾饃だが、今後は、涼皮(冷麺のような料理)も加わる予定で、車内では氷峯(オレンジ味のサイダー)も販売される。西安を出発する、あるいは西安を通る乗客は今後、車内でこれらの「三秦セット(肉夾饃・涼皮・氷峯)」を全て味わえるようになる。
その他の都市が提供する食事サービスには、どのような特徴があるのだろうか?多くの「高速鉄道デリバリー」は、地方色豊かであることが分かった。例えば、鄭州駅が提供するのは、ファーストフードのほかに麺料理の「蕭記三鮮■面」、石家庄駅では餃子・ワンタン・南瓜粥、牛肉餡餅(牛肉入りパイ)、皮蛋痩肉粥(ピータンと豚肉のお粥)が、成都駅では双拼木耳肉片(キクラゲと豚肉の炒め物)定食、伝統的な回鍋肉定食、金牌辣子鶏丁(ピリ辛チキン)定食が、それぞれ提供されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年7月18日
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