中国ASEAN関係はすでにASEAN対話パートナーシップにおいて、最も活力ある、最も内容に富むものとなっている。様々な兆候は、この関係が積極的な発展の強大な原動力を獲得し、質的向上と高度化の歴史的契機を迎え、さらに素晴らしい将来性を示していることを物語っている。(文:陳須隆・中国国際問題研究院国際戦略研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
以下の事実と兆候は人々を鼓舞するものだ。
(1)ASEAN設立50周年にあたり、中国の習近平国家主席がASEAN輪番議長国・フィリピンのドゥテルテ大統領に祝電を送った。
(2)先日のASEANプラス1(中国)外相会議は、中国ASEAN関係の発展という重要で前向きなメッセージを発した。
(3)ASEAN外相共同声明は、中国ASEAN関係の重要な進展を全面的に評価し、中国ASEAN関係の展望に自信を示した。
(4)中国とASEANの戦略的パートナーシップ構築から来年で15年。双方はこれを契機に、より緊密な中国ASEAN運命共同体を構築し、アジア運命共同体の模範とする。
今回のASEANプラス1(中国)外相会議の1つの重要な成果は、「南中国海における行動規範」の枠組文書を承認し、かつ準備を整えた後、年内のふさわしい時期に具体的案文の実質的協議に入ることを対外発表したことだ。王毅外交部長(外相)はこれを今回の一連の外相会議における「最も確かな進展」としており、大変重大な意義を持つ。これは中国とASEANが共同の努力を経て、南中国海情勢を安定させ、有効な協力を繰り広げ、争いを直接の当事国による対話と協議を通じた解決の道へ改めて戻したことを意味する。
周知のように、いくつかの域外勢力は良からぬ戦略的企てを抱き、南中国海問題を口実に、ASEAN諸国と中国の離間を煽り、摩擦の激化も辞さず、さらには「指導し」、舞台裏で「仕手筋」となっている。これは「両者が争っているすきに」地政学的、経済的、安全保障上の「漁夫の利」を得るためだ。米日豪3カ国外相がASEAN関連外相会議期間に、南中国海問題について共同声明を発表して引き続きもめ事を引き起こしたことが、その最新の例証だ。だが「南中国海における行動規範」枠組文書の策定と承認は、中国とASEAN諸国に溝を適切に管理・コントロールし、南中国海問題をうまく処理するとともに、中国とASEANの戦略的関係の大局をしっかりと把握する能力と知恵があることを示した。
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