正午に近づく頃、陶磁器館で2時間にわたり解説していた朱宏さんは、ハンカチで額の汗を拭い、文華殿を離れて熙和門のボランティアステーションに向かった。そこで首にかけていたネームホルダーを外し、ボランティアハンドブックにその日の解説を記録した。北京晩報が伝えた。
故宮最初のボランティア解説員の一人として、まもなく古希を迎える朱さんは13年もの間、解説を続けてきた。朱さんは、「今までにどのくらいの時間数解説をしてきたのか、計算したこともないが、記録を付けているハンドブックはもうすぐ4冊目も使い終わるほど」と話す。
朱さんは展示ケースの中の陶器を指し、「これらの展示品は7000年以上の歴史がある」と誇らしげに語る。朱さんは、見た目が鮮やかな磁器よりも、外観が素朴な陶器のほうが気に入っているそうで、「昔の人はとても賢い。食べ物を煮る時は砂入りの陶器を使い、料理を盛る時は陶土が洗練された陶器を使う。なぜなら、砂は主な成分が二酸化ケイ素であり、高温に強いから」と説明する。かつて、化学教師だった朱さんは、自身の化学知識を解説にしばしば役立てている。
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