顔認証による決済、顔認証による改札の後には、顔認証による荷物の受け取りが来た。支付宝(アリペイ)と菜烏網絡科技有限公司がこのほど上海市で開催した物流開放大会で、支付宝の親会社アントフィナンシャルサービスが物流産業における顔認証技術の開放を発表した。消費者はカウンターで顔認証によって荷物を引き取ることができるようになり、手続きはわずか5秒で完了するという。新華社が伝えた。
スマート宅配カウンターを通じた荷物受け取りの手順はこうだ。配達員が荷物をカウンターに置くと、システムが確認コードを受取人の携帯電話に送り、受取人がコードを打ち込むと荷物を受け取れる。ただ一部の消費者が受け取り時に携帯を忘れたりコードを打ち間違ったりするといった問題が考えられる。
新たな顔認証による荷物受け取りモデルでは、ユーザーが荷物受取通知を受け取った後、スマート宅配カウンターの操作画面で「顔認証による荷物受け取り」を選択すると、システムがユーザーの顔情報を認識する。認識がうまくいくと、荷物の入った棚が自動的に開いて荷物を取り出せるようになり、全行程にかかる時間はたった5秒だ。
顔認証による荷物受け取りだけでなく、未来の消費者は顔認証による荷物の集荷ができるようになる見込みだ。アントの生体認証技術の責任者・陳継光さんは、「宅配便の世界では実名制度が急ピッチで実施されており、ユーザーは荷物を送る時、配達員に身分証明書を提示しなくてはならない。宅配カウンターでの集荷では、一般的に身分証明書の写真情報を提供する必要があり、手続きがやや煩瑣だ。顔認証による集荷なら、この面倒くささから開放される。顔認証で収集された情報は身分証明書の情報と照合するので、顔認証による荷物の集荷では実名であり本人であることが確実になる。これは宅配の実名制度にとって検討する意義があるものといえる」と話す。
顔認証決済から顔認証による荷物受け取りまで、顔認証技術は応用シーズンを絶えず拡大しており、将来は顔だけでできることがますます増えるとみられる。だが段和段弁護士事務所のパートナー劉春泉さんは、「すべての生体認証技術データには、漏洩したり盗まれたりする可能性がある。生体のもつ特徴は唯一無二の再建できないものであり、データの漏洩や盗難があれば損害は計り知れない。こうした欠陥に対して技術レベル、法律レベルでの真摯な対応が必要だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年9月19日
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