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米日韓「三角同盟」 各々に狙い

人民網日本語版 2017年09月22日09:14

第72回国連総会が終盤を迎えるこの時期に、米日韓首脳会談が別の注目点となっている。米国のトランプ大統領、日本の安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領は21日に昼食を共にし、3カ国首脳会談を行う。今年7月のG20ハンブルク・サミットに続き、米日韓首脳が再び集まる。人民日報海外版が伝えた。

■「二辺」が「三角」になるも残る切れ目

今年7月、米日韓首脳は朝鮮半島の核問題について会談し、朝鮮の弾道ミサイル試射を強く非難する共同声明を発表した。また、3カ国が連携して引き続き朝鮮に圧力を加え、朝鮮半島の非核化をめぐる会談を再開することを表明した。2カ月余り経った再度の首脳会談でも、3カ国は朝鮮半島問題に焦点を合わせる。

「この2カ月余りで、朝鮮半島情勢には非常に深い変化が生じた。9月3日に朝鮮が実施した6回目の核実験は過去最大の威力であり、朝鮮半島問題の緊張が高まった」。大連外国語大学北東アジア研究センターの薛暁芃副センター長は、米日韓の「三角同盟」関係は事実上すでに形を成したと指摘する。

韓国・聯合ニュースによると、文大統領は現地時間18日午後にニューヨークで「韓米両国は全ての問題で一致した立場を保つことはできないが、韓米同盟は堅固で壊せない」と表明した。

日韓両国の外交は、米国との二国間同盟関係に大きく依存している。今や朝鮮半島問題のエスカレートは、米日韓三国同盟に手を結ぶきっかけももたらした。2つの二国間関係が機に乗じて「三角同盟」に発展したのだ。朝鮮半島核問題への対処という共通の利益に駆られて、米日韓は「三角同盟」を結成したが、切れ目も残る。

「3カ国関係を見ると、米日は割合協調している。日韓間には歴史の残した問題が余りに多く、現在も領土紛争が存在する。両国の国民感情には非常に大きな確執がある。文大統領自身は朝鮮半島問題に対する政策理念が米国の政策と矛盾するが、現時点では米国に歩み寄るほかない」と、延辺大学北東アジア研究院の金強一院長は指摘する。

朝鮮に対して凄まじい剣幕の米日と異なり、韓国は朝鮮と最も距離が近く、朝鮮半島問題については平和的解決により傾いている。韓国の康京和外相は11日、朝鮮半島問題の平和的解決に引き続き尽力すると明言した。

国際関係学院国際政治学部の孟暁旭准教授はこれについて「三国同盟には、各々動機がある。米国は絶対的安全を主張し、朝鮮の核問題が安全保障上の一定の圧力となっている。同盟国の助けを借りて朝鮮の長距離攻撃能力を弱める必要があり、米国にとって同盟はアジア太平洋に介入するための便利な道具でもある。日本は米国による安全保護に不確定性が生じることを懸念している。自国の経済力は不十分であり、米国の保護を求めることが最も現実的だが、機に乗じて自国の防衛政策を実現する意図もある。朝鮮の核問題は韓国への影響が最も大きい。韓国は戦争を望まず、朝鮮半島問題の平和的解決を選択する」と指摘する。

■「核の傘」に半信半疑

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は5日、米太平洋艦隊のスウィフト司令官の「最近の朝鮮による一連のミサイル・核実験活動で、米国と日韓など同盟国との関係はより緊密になっており、朝鮮が望むような分裂には陥っていない」「米国は空母配備を含む戦略資源の朝鮮半島へのさらなる投入にオープンな姿勢だ」との発言を報じた。

「現時点で米国は朝鮮が米国の国家安全保障という『レッドライン』を越えていないとの認識だ。ひとたび『レッドライン』を越えれば、米国は政策を大きく転換するとみられ、日韓に『核の傘』を100%提供することはあり得ない」。金氏は「米国の国家安全保障に影響が生じれば、米国は危機管理・コントロールの観点から朝鮮半島から身を引く。そうなれば日韓は安全保障上の窮地に陥るだろう」と考える。

米国は日韓を安心させる発言を立て続けにしているが、効果は限定的のようだ。「現時点で、米国に対する日韓の信頼は揺らいでいる。朝鮮の核問題に対して両国内で上がっている多くの異論は、すでにこの趨勢を反映している」。孟氏は「3カ国には安全保障上の信頼の問題がある。3カ国間の相互信頼は他国よりもずっと強く、表面上同盟は堅固だ。だが米国は実際には日韓の安全を確保できず、限定的な対処行動のために日韓の信頼を失っている」と分析した。

今や米日韓は六カ国協議の枠組を放棄し、「三角同盟」を形成した。短期的に見ると3カ国の同盟強化は必然的な趨勢だ。だが、厳しい朝鮮半島情勢を前に今最もすべきは、周辺諸国がテーブルについて、朝鮮半島核問題を平和的に解決する案を共に議論し、安全保障協力の対話メカニズムを形成して、朝鮮半島問題の一層の激化、エスカレートを回避することだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年9月22日

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