英国の有名な科学者、ジョゼフ・ニーダムはかつて画期的な研究により、中国の古代からの科学技術分野の成果を、世界に再認識させた。この学術的伝統を担う英ニーダム研究所の梅建軍所長は、中国の現在の革新的雰囲気は、ニーダムの当時の期待をはるかに上回ったとの見方を示している。科技日報が伝えた。
この英国人科学者、ジョゼフ・ニーダムの名を冠する研究所は長期的に、東洋の科学技術の歴史を研究しており、その主な成果として「中国科学技術史」シリーズ叢書などが挙げられる。梅所長は仕事上の関係で、中英を頻繁に行き来しており、中国の近年の発展を鋭く観察している。「私は1994年に英国を訪れ、さらに北京に戻り10年働いた。そのため中国の経済と科学技術がこの20年間に渡り、非常に急速に発展するのを目にした。特に高速鉄道、微信(WeChat)、シェア自転車、ネット通販など国民が実感できる分野において顕著で、一般の人々の日常にまで進出している」としている。
梅所長はこれらの重大な発展は、国家の政策と切っても切れない関係にあるとしており、国家の奨励策を受け、多くの科学研究成果が迅速に転化され、工業や国民生活に実用化されているとした。
中国の先端ナノテク分野の発展は、その良い例といえる。世界的に有名な学術誌出版機関「シュプリンガー・ネイチャー」と中国国家ナノ科学センター、中国科学院文献情報センターが共同発表した「国の大器は毫末から――中国ナノ科学・技術発展状況概況」白書によると、世界のナノ科学研究論文に占める中国の割合は現在3分の1以上に達しており、過去20年間のナノ特許出願件数は世界の45%を占め、いずれも米国の2倍ほどとなっている。ちなみに20年前の中国の論文が占める割合はわずか6%だった。
中国の科学研究の革新は、ナノテクだけに留まらない。シュプリンガー・ネイチャーのデータによると、中国人著者が世界的に有名な科学誌「ネイチャー」に掲載した原著研究論文が占める比率は、1997年の時点では0.3%のみだったが、2015年には7.9%にまで上昇した。
梅所長はまた、「最近特に喜ばしいと感じているのが中国の若い科学者と学者が成長している点だ。これは単一の分野に限らず、各分野に跨っている。しかし未来の中国の革新は、特に科学研究の面でまだまだ課題を解消していかなければならない」と指摘した。
生物化学の研究に従事するニーダムは前世紀の抗戦期間に訪中し、中国の科学者とインテリが困難な環境で科学研究を続け、さらには世界的水準の成果を手にするのを目の当たりにした。梅所長は、「ニーダムが今の中国の発展をその目で見たならば、きっと非常に喜ぶことだろう」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年10月18日
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