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<企画>ネット上の「ため込み病」にご注意 処方箋は「断舎離」

人民網日本語版 2017年10月27日15:22

先延ばし病、怠け病、社交恐怖症、選択困難症……ネットユーザーらはこれまでも、数々の新しい「病気」を発明してきた。最近新しく登場して話題となっているのがソーシャルネットワークサイトでの「ため込み病」だ。

微信(WeChat)で気に入った文章を後で読もうと登録し、公式アカウントも多数フォローしながら、読む時間がまったくない。そうだとすれば、あなたも、いっぱいになったメモリと散らばった空間の中で一日中あえぐ「ため込み病」患者の一人かもしれない。

今は昔、読書計画を作るのが当たり前だった時代、人々は、本棚に並んだ未開封の書籍をながめては、焦燥感に駆られたものだった。現在は、微信でお気に入りの文章を集め、時間がある時にゆっくり読もうというのが主流のスタイル。微信ではさらに、信頼の高いメディアや飲食娯楽に関連する公式アカウント、名文や映画を推薦してくれる各種のサービスアカウントをいくらでもフォローできる。だが毎日、微信を開けば、未読の情報がどっさり入っているというのでは、公式アカウントをいくらフォローしても、読む時間を作ることなどできない。

症状はほかにもある。チャットの記録を消すのが嫌で、スマホのメモリがいつもいっぱいになってしまう。暇さえあればスマホを取り出し、少しの情報も見逃すまいと、微信のモーメンツや微博(ウェイボー)に新しい投稿がないか更新し続ける。モーメンツや微博、QQスペースでの投稿を大事に取っておき、過ぎ去った青春がまだあるかのように感じている。QQや微信のいくつものグループに参加しながら、発言もしないのに、グループから退会もしない。微信やQQの友人の30%以上の人の本名を忘れ、10%はそもそも誰だかわからない。そんな症状に悩まされているというあなたはきっと、SNSの「ため込み病」にかかっているに違いない。

新しいものを加え続ける一方、必要のないものもなかなか捨てられず、不要のものを大量に抱え込み、時には正常な生活さえ送れなくなってしまう。心理学者によればこれも立派な心の病気の一種で、「強迫的ホーディング」という正式名まであるのだという。

買った書籍を全く読まない、使わないのに捨てられないにもかかわらず、「収集」というもっともらしい理由をつける。

毎日1着ずつ着ても全部に袖を通せないほどの量の服でクローゼットがいっぱいになっているにもかかわらず、新しい服を買わずにはいられない。

様々な会員カード、サービス券を持っており、1回くらいしか行かない店・施設でもカードを作ってしまう。

旅行中に見たもの全ての写真を撮り、旅行後に見返せる素敵な思い出を残すが、その後はじっくり見返す時間がない。

以下は深刻な物の「ため込み病」患者の症状の一部。

ネット上での「ため込み」は物をため込むほど場所をとらず、他人に迷惑をかけず、問題にはならないという人もいるが、実際の問題は人間にとって大切な注意力を奪うという点にある。

注意力は生きていく上で必要な力で、何に注目するかで得られるものが決まる。そのため、注意力を削ぐ物が多いほど苛立ちが募るようになり、自分の力強さがひどく失われてしまう。

「ため込み」は人間の特性であり、原始時代に人類が身につけた生存本能の延長にある。

人間は、初めは狩りをして生活していたが、その後徐々に植物栽培を発展させていった。そのため、どのような状況でも、不測の事態に備えて生き抜くための物資を残そうとしていたので、「ため込み」の習慣が人間に備わった。

ため込むことは安心感をもたらす。心理学の専門家によると、SNSでの「ため込み病」にかかる人は、自分が何かを「読んだことがない、聞いたことがない、見たことがない」と思われるのを極度に恐れ、友人や情報、チャット記録、電子書籍、文章を集めるのをやめられない。だが現実的にはそれを消化する時間がない。断片的な拾い読みは、集中的な学習や読書の代わりには到底ならない。そうして焦燥感のようなネガティブな感情が一方的に積もっていく。

専門家によれば、この「病気」を甘く見るべきではない。時には、いくらため込んでもどんどん足りなくなることもある。軽度の患者は、日本の不要品管理コンサルタント・山下英子が考えだした「断舎離」の概念を参考にしてもいいだろう。今から「引き算」のスタートだ。要らない物を断ち、要らない物を捨て、物への執着から離れる。欲望を抑え、心を静める。今自分のもとにあるモノ、事柄、本などに注意を払って向き合い続ければ、秩序や安静が訪れる。微信に費やす時間を減らし、サイト閲覧や読書の時間を増やすことも解決策になるだろう。

「人民網日本語版」2016年10月27日

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