日本では、喫茶店や電車、公園、空港の待合室など、至る場所で様々な年齢層の人たちが真剣に読書をする姿を目にすることができ、文庫本や漫画、雑誌から専門書まで、いつでもどこでも読書をするというのが日本の日常的な光景となっている。日本人の年間平均の読書量は40冊で、日本は世界各国のメディアから「読書大国」と称されている。しかし、日本のメディア報道によると、日本全国の約420の地域には書店が1軒もなく、書店のない地域が徐々に増えてきており、多くの人がこの「文化の拠点の衰退現象」について不安視しているという。(文:常博深。新民晩報掲載)
農村や都市にかかわらず、書店が衰退
書店のない地域は主に日本の農村部に集中しているが、現在までに北海道赤平市や徳島県三好市、熊本県合志市などの都市部においても書店が無くなっている。書店のない地域の拡大は、書店経営者にとって深刻な打撃となっているだけでなく、読者にとっても受け入れがたい事実となっている。
日本出版販売株式会社の調査データによると、書店のない地域の数は4年前に比べて10%増えている。また、1990年時点で東京都書店商業組合に加盟していた書店軒数は約1400軒だったのが、2000年には1040軒まで減り、2017年時点では336軒にまで激減している。さらに、書店組合に加盟する書店のほとんどが小中規模の書店となっている。これらのデータから、農村や辺鄙な地域だけでなく、東京都内の書店までも徐々に衰退していることが分かる。
以前は日本の大きな駅の近くには必ずと言っていいほど1軒は書店があったが、そのような光景は現在、古い映画作品の中でしか見られなくなった。
写真:日本で2年前に閉店した、創業42年の書店。
書店経営に影響を及ぼす様々な原因
書店のない地域が生まれた原因はいくつか存在する。
1.人口の減少
若者は大都市に集中し続けており、過疎化と高齢化が深刻化している。この問題は1995年から顕著になってきており、多くの地域で人口の極端な減少により書店を経営するための基本的な条件が整わなくなってきている。
2.読書人口の減少
日本の文化庁が2013年に実施した「国語に関する世論調査」の結果によると、「1ヶ月に読む本の冊数について」という質問に対して、「読まない」と解答した人の割合は、2002年は37.6%、2008年は46.1%、2013年は47.5%で、年々増加傾向にある。読書量が以前に比べて減ったという人は65.1%に達した。インターネットの急速な発展により、日本で書籍離れ問題が生じており、特に若い人たちの書籍離れ問題が深刻化しており、各界の大きな注目を集めている。
3.アマゾンを始めとするオンライン書店が実店舗の書店に与えた大きな打撃
現在、オンライン書店は急速な発展を遂げており、人々の生活リズムが加速したこともあり、多くの読者が利便性やスピーディさなどの理由で、アマゾンなどのオンライン書店を選ぶようになってきている。多くの読者が、わざわざ書店に足を運んで本を買うのは時間の無駄だと思っており、ネット上で自分の買いたい本を選ぶことで書店に行く時間や交通費を節約することができ、まさに一石二鳥で、その利便性を高く評価しており、ネット上での書籍購入を選択するようになっている。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn