• 十九大
2017年10月27日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

政治|経済|社会|文化|中日
科学|写真|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>経済

日本の商工中金の不正融資 全100店中97店で

人民網日本語版 2017年10月27日13:50

10月25日、日本政府は国の制度融資で不正を繰り返した商工組合中央金庫(商工中金)に対して2回目の業務改善命令を出した。これまでに不正が見つかった口座は4609、融資実行額は2646億円。全100営業店のうち97店で不正行為が行われ、関わった職員は444人に上った。

商工中金は政策金融機関で、中小企業への融資を主業務とする。日本政府が株式の46%を保有し、経済産業省が所管する。今回問題になった融資は2008年のリーマン・ショックなど国際金融危機に対応する中で設置された低利の融資で、「危機対応融資」と呼ばれるものだ。一般的に、民間銀行から中小企業への融資の金利は1.2%だが、商工中金が提供した融資の金利は1.0%で、差の0.2%分は税金を使って埋め合わせしていた。国からの補助金を詐取するため、商工中金の営業部門が財務データを改ざんし、要求を満たしていない企業にも融資を行っていた。

今年5月、経産省が商工中金に業務改善命令を出したが、改善は進まなかった。その後の金融庁が主導した立ち入り検査によって、初めて問題が発覚。経産省は、問題の発生の根本原因は経営陣及び本部が「過度な業績プレッシャーをかけて計画値の達成を推進していること」にあるとの見方を示した。

日本紙「朝日新聞」の報道によると、短期的な経済活性化ニーズへの対応など危機対応後も国の補助金を獲得するため、商工中金は営業店に過大なノルマを課し、個人の給与や昇進にも反映させていた。こうしたルール違反行為により税金を浪費しただけでなく、民間銀行の経営を圧迫した。

世耕弘成経済産業相は商工中金に生まれ変わってやり直し、業務と組織を徹底的に見直すよう求めた。具体的には管理職と社員の責任の明確化、徹底した再発防止策の策定、持続可能なビジネスモデルの実施、外部人材の活用、経営管理の枠組みの再検討などが含まれる。

商工中金の安達健祐社長は25日の記者会見で、「組織の信頼を根底から揺るがす重大な事態だ。心よりお詫びする」と述べ、「適切な時期に社長の職を退く」と表明した。所管部門の責任を明確にするため、世耕経産省は給与の2ヶ月分を自主返納し、経産事務次官と中小企業庁長官は厳重注意とした。元経産事務次官の安達社長の後任には、民間人をあてる方針だ。また専門家による「商工中金の在り方検討会」を設置して、年内に改善プランをまとめるという。

商工中金の不正融資問題には、日本の大規模な金融緩和政策による「過度の活性化」のマイナス面が反映されている。政府は金利引き下げなどの措置により銀行から企業への融資を奨励して経済を活性化しようとしたが、企業にそれほど多額の資金需要があるわけではない。日本政府が昨年秋の補正予算でデフレと世界経済減速の影響から脱却するためとして計上した「危機対応融資」は7千億円に上った。商工中金は英国のEU(欧州連合)離脱が中小企業の経営に影響を与えるとして、政府に「危機対応融資」業務の拡大を求めていた。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年10月27日

コメント

最新コメント

アクセスランキング